1. Home
  2. Rated Disc Battle
  3. SOUND GRADATION ~凍える枯山吹の侘しさと茜さすキミへの章~

Rated Disc Battle

ディスクレビュー

エントリー

  • 2017/05/15

SOUND GRADATION ~凍える枯山吹の侘しさと茜さすキミへの章~ / SHADY GLIMPSE

SOUND GRADATION ~凍える枯山吹の侘しさと茜さすキミへの章~ / SHADY GLIMPSE
SHADY GLIMPSE
発売日
発売中
レーベル
SHOTGUN RECORDS
関連URL
http://shady-glimpse.com/

SOUND GRADATION ~想い濡る花の涙雨と光さす虹の架け橋の章~
SOUND GRADATION ~凍える枯山吹の侘しさと茜さすキミへの章~

前身のVACUUM(ドラムは現在UNITEDのアキラ)から発展し、すでに10年以上のキャリアを誇る浜松のSHADY GRIUMPSEの再録ベスト・アルバム。
ベスト・アルバムと言っても単純に昔の曲の寄せ集めではなく新曲、更にはVACUUM時代の曲の再録も有りで、単なるベスト・アルバムでは終わらない内容で、現在のSHADY GLIMPSEの姿を明確に記録した作品になっていて、自らが「過去の総括でも焼き直しでもない」と意思表示しているように、ベスト・アルバムとは言えニューアルバムとして認識して問題のない作品と感じられる。
ベイエリア・クランチに代表される切れ味鋭いエッジの効いたリフが基盤にはなっているが、作品全体から感じる印象としてはスラッシュメタルの枠の中だけで語り尽くせないバンドという印象を受ける。
スラッシュとしては他に類を見ない独特の歌詞の世界があり、全体的にも様々な要素を巧みに取り入れており、単なる往年のスラッシュメタルの焼き直しではなく、スラッシュの核を守りながら進化を続けた今を生きるバンドならではの独自のスタイルに到達しているように感じられる。
こういったエクストリーム・ミュージックの世界では、ほとんどが日本では欧米のものへの憧れからスタートしているので、世界的に見れば先駆者にはなかなかなり得ないが、日本人独自の解釈と研鑽によって日本からしか出現しえないバンドが存在しているのも事実。このSHADY GRIMPSEも絶対に欧米からは出て来ないであろうスタイルへ辿り着いている日本が世界に誇るべきバンドと言えるだろう。
「SOUND GRADATION ~想い濡る花の涙雨と光さす虹の架け橋の章~」は"prologue"で始まり、「SOUND GRADATION ~凍える枯山吹の侘しさと茜さすキミへの章」は"epilogue"で終わるこの2枚は2枚で完結する物語。
是非2枚セットで聞いていただきたい。

text by JUMBO