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Rated Disc Battle

ディスクレビュー

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  • 2016/11/24

DISSOCIATION / THE DILLINGER ESCAPE PLAN

DISSOCIATION / THE DILLINGER ESCAPE PLAN
発売日
発売中
レーベル
Party Smasher Inc.
関連URL
http://www.dillingerescapeplan.org/

『One of Us Is the Killer』以来3年ぶりのフル・アルバムにして、約20年の活動に終止符を打つ最終作。
彼らがエラいのは、後に“マスメタル”とか呼ばれるようになるプログレッシヴで複雑怪奇なハードコア生み出してパイオニアとなったことでも、楽曲のポテンシャルを“再現”以上に“表現”する異常なまでにテンションの高いハイテクニカルなパフォーマンスを行ったことでもない。もちろんそれだけでも十分にエラいけど、一番の功績はそれを“フツーのロック”のフィールドに押し上げたことだと思う。例えばGREEN DAYが誰でも聴ける“ロック”になるのは想像できるじゃん(ポリティカルな思想を曲げずに、という点で彼らはめちゃめちゃエラい)。でも、THE DILLINGER ESCAPE PLANの音楽は基本、変態なままだからね。それでも同等のポピュラリティを獲得している。すごいことだ。NINE INCH NAILSやFAITH NO MOREと並ぶ存在になるっていうのは、並大抵のことじゃないでしょ。
ただ、その“フツー”が僕らにとっても、彼らにとっても、文字通り普通になっちゃったんだな、というのがこの最終作を聴いて思ったこと。Greg Puciato加入後からのすべてを盛り込んだような内容で、超THE DILLINGER ESCAPE PLANなんだけど、これからはそれじゃダメなんだ、って言われてるような感じ。僕らも、彼らも。Ben Weinmanの弟子にあたる若きギタリスト、Kevin Antreassianをフィーチャーしている点も象徴的。時代は変わる。

text by 久保田千史