ドラマー・Martin Kearnsの逝去により、“惜しまれつつ”という月並みな文句が陳腐なほどに世界中からの哀悼を受けながら2016年に解散したBOLT THROWER。そのヴォーカリスト、Karl WillettsがKearns追悼の意を込めて結成したのがこのMEMORIAM。ドラマーはデモの段階からEarache時代最後の作品『...for Victory』まで在籍したBOLT THROWERオリジナル・メンバーAndrew Whale。ギタリストには元CEREBRAL FIXのScott Fairfax、ベーシストには同じくCEREBRAL FIX出身で現BENEDICTION、SACRILEGEのFrank Healyを迎え、文字通りメモリアムにはこれ以上ない布陣です。本作は待望の1stフル・アルバム。BOLT THROWERの意匠はある程度受け継いでいるものの、同じメンバーが在籍しているのだから、それは当然と言えば当然。しかし、よりダークで渋いオールドスクール・デスメタルからは、このバンドがBOLT THROWERの代替などではないことが一聴して伺えます。むしろBOLT THROWERからはできるだけ離れたものにしたかったんじゃないかなっていう気がする。名匠Dan Seagraveによるアートワークもこれまでになく描き込まれていて、ベクシンスキ級の気迫を感じさせるもの。英国らしい闇黒デスメタルのファンは全員必聴です。
