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Rated Disc Battle

ディスクレビュー

エントリー

  • 2017/07/13

HYPER GROOVE BRUTALITY / VOMIT REMNANTS

HYPER GROOVE BRUTALITY / VOMIT REMNANTS
発売日
発売中
レーベル
Unique Leader
関連URL
https://www.facebook.com/OfficialVomitRemnants

顰蹙を買うのを承知で言うけど、ブルータル・デスメタルっていうか“ブルデス”、つまりはスラミング以降のデスメタルって、正直、ここ10年で出てきたものに関しては全然おもしろくなかったと思う。一生懸命ディグって聴く気にならなかった。言語化してもつまらないというのも大きかったです。言葉があまりに金太郎飴になり過ぎる。スラミングと言うからには、ある種ダンス・ミュージックとして機能する音楽だから、それも多少は仕方のないことなんだけど……。良いバンドはたくさんいたし、良い音源もたくさんあったけど、それ以上にウンコが多すぎた。数グラムのゴールドを探すために、大量のウンコに手を突っ込みますかっていう話。ゴールドだけが一番尊い最高の貴金属っていう人なら突っ込むかもしれないけど、あいにく筆者はそうじゃない。仮にちょっと良いな、と思えても、これを我慢するならVOMIT REMNANTSを何回も聴くわ……って気になっちゃうわけよ……。と思ってたらVOMIT REMNANTSが新作を出してくれたじゃないですかわーいフル・アルバムとしてはなんと18年ぶりこれがめっちゃシブい。矛盾を承知でニュースクール・デスメタル・クラシックと言うほかない。タイトル通り、スラミングのためのリフ / リズム・パターンをフル投入しながらも、ぱっと聴きでは分からない程度にジャズやクラシカル、ヒップホップからの影響もしっかり織り込まれていて、プロダクションも含めて芳醇。Craig Peters/DEEDS OF FLESH、Henrik Cranz/SOILS OF FATE、Paul Masvidal/CYNIC!!!!!のゲスト参加もイイ感じ。解散残念です。こんなこと言ったら怒られるかもしれないけど……これまでにも解散→復活を何度か経験しているわけだから、また好タイミングでかっこいい曲を聴かせてほしいな。

text by 久保田千史