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Rated Disc Battle

ディスクレビュー

エントリー

  • 2019/01/23

Phanerozoic I: Palaeozoic / THE OCEAN

Phanerozoic I: Palaeozoic / THE OCEAN
発売日
発売中
レーベル
Metal Blade Records / P-Vine, Inc.
関連URL
http://www.theoceancollective.com/

正直言って近年、所謂ポスト・メタル、アトモスフェリック・ハードコア、プログ・スラッジ云々……みたいなのに全然興味が沸かないんですよ……。厳密に言えばISIS『Panopticon』(2004)以降。どれも同じように聴こえてしまって。良いバンドはたくさんいるんだけど、関連する単語が出てくるだけで妙に避けてしまうわ。いまだにその手の音を先鋭ぶって語る奴がいるのも萎える。少なくとも『Oceanic』からもう15年以上も経ってるんだから、そんなわけないっしょ……と言いたい。そんな中にあってTHE OCEAN COLLECTIVEは、ISIS、CULT OF LUNAの後続群においては頭ひとつ抜きん出ていて、新作が出れば気になる存在。何が良いって、美麗アルペジオをチンタラ垂れ流してポスト・ロック感出してくるようなエモエモ感とか、やたら展開を作ってプログレッシヴに見せるインテリジェント(風)感、昨今で言えば安直なブラッケンドに逃げないのが良いっすよ。テーマの扱い方や組曲的な構造はYESっぽいし、クリーン歌唱を含めて美麗パートもいっぱいあるけど、ブルータリティに手を抜いてなくて、CORRUPTEDやDYSTOPIA、GRIEFのリイシューとかでもおなじみのThrone Recordsがフックアップした頃とそんなに変わってないから、好感が持てる。アトモスフェリック・スラッジのディフェンダーみたいな笑。かといって保守的に再生産しているわけでもないし。構図としては、クリスチャン・ハードコア・フィールドにおけるUNDERØATHのあり方に近いのかもしれないな~。Jonas Renkseさん(BLOODBATH, KATATONIA)のゲスト・ヴォーカルもハマってます。

text by 久保田千史