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Rated Disc Battle

ディスクレビュー

エントリー

  • 2017/10/07

HOWLING, FOR THE NIGHTMARE SHALLl CONSUME / INTEGRITY

HOWLING, FOR THE NIGHTMARE SHALLl CONSUME / INTEGRITY
発売日
発売中
レーベル
Relapse Records
関連URL
https://www.facebook.com/INTEGRITY.HT/

米オハイオはクリーヴランドの象徴にしてHoly Terrorハードコアの頂点INTEGRITYが、RINGWORMに続いてRelapse Recordsに移籍。近年はDwid Hellion師を中心にメンバーが流動的に入れ替わっていて、今回も前作『Suicide Black Snake』(2013)でのRobert Orr(UNREAL CITY)とのタッグから一転。かのカナディアン伝説DAY OF MOURNINGや、HATEWAVES、PULLING TEETH、SLUMLORDSなどに在籍し、現在もCOFFINSとのスプリット作でおなじみILSAの一員として活躍するほか、当代最重要レーベルのひとつA389 RecordingsのファウンダーでもあるDomenic Romeoをパートナーに迎えて制作されています。そりゃ良い内容になるに決まってるでしょ!ここ数作でのロウで不穏なメタルパンク・テイスト路線を踏襲しつつ、1995年の名作『Systems Overload』を髣髴とさせる分かり易い整合性も備えていて、かつINTEGRITYらしいエクスペリメンタルな側面やアメリカーナの要素も隠し味として内包。アルバムとしてめっちゃソリッドな新・マイルストーン作品に仕上がっていて、約30年に及ぶキャリアを知る上での入門編にもぴったりの内容です。しかし、同郷のBONE THUGS-N-HARMONYと交流を持ち、過去にはDonna Summerのカヴァーを披露しているDwid師ですが、本作でゲスト・ヴォーカルとしてZAP MAMAへの参加で知られるシンガーMonique Harcumをフィーチャーしているのにはびっくりしました!ソウルフルな歌唱がHoly Terror節にマッチしていて素晴らしいです。ベルギー時代に築いた人脈はCONGRESSやLIREだけじゃなかったんですね(真相は全然分からないですけど……)。CDヴァージョンおよび一部限定ヴァイナルには、昨年Decibel Magazineの付録として制作され、日本のファンをハラハラさせたあの「Deathly Fighte」カヴァーも収録。

text by 久保田千史