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Rated Disc Battle

ディスクレビュー

エントリー

  • 2017/07/10

confidence / V.A

confidence / V.A
発売日
発売中
レーベル
Impulse Records
関連URL
http://impulse-records.main.jp/

山形のWHAT EVER FILM、東京のREDSHEER、愛知のkmkms、愛媛のforget me not。東西南北からベテランと呼んで差し支えないであろう面々が各1曲を持ち寄った4ウェイ・スプリット。ATOMIC FIREBALL、SCALENE、Bucket-Tのメンバーが在籍するREDSHEERは、パーカッシヴでリチュアルなムードの暗黒パートからTODAY IS THE DAYも真っ青の変態金属カオスに突入。時折挟み込まれる旋律with刻みからは、なぜかメランコリック・ブラックというよりも古き佳きメロディック・デスメタルを感じるのだけれど、気のせいでしょうか。本作のリーダーと言うべきforget me notは、THE JESUS LIZARDを思わせる隙間の作り方とBIG BLACK、RAPEMAN、SHELLACの剃刀メタリックな質感、SLINTのちょっとエモーショナルな感じを完全ミックスしてオリジナルに昇華した真骨頂チューンを投入。名古屋重要レーベル / ショップのひとつ「stiff slack」のオーナー・新川拓哉氏が率いるkmkmsは、完全にHANDSOMEやFAILUREを思わせるヘヴィかつエモーショナルなポスト・ハードコア / ポスト・グランジ楽曲にクラシック・ニュースクール / Ebullitionを彷彿とさせる日本語スポークンが乗る異色ナンバー。バンドとしての活動歴は恐らく本作中最も長いであろうWHAT EVER FILMは、POLICY OF 3、FOUR HUNDRED YEARSやFRODUSなどをイメージさせながらも、日本のハードコアパンクらしいささくれ立ったテクスチャや、オールドスクールな“本物の”メロディックパンクの意匠も魅力。

text by 久保田千史