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Rated Disc Battle

ディスクレビュー

エントリー

  • 2013/04/30

Hasta La Muerte / XIBALBA

Hasta La Muerte / XIBALBA
発売日
発売中
レーベル
Southern Lord Records / Alliance Trax
関連URL
http://www.facebook.com/placeoffear
http://twitter.com/XibalbaCA
http://www.myspace.com/placeoffear

例えばSEPULTURA『Roots』やENTOMBED『Wolverine Blues』に関して、拒否反応を示す一定以上の世代(これは理解できる)、または拒否することによって玄人であることを衒う(これは理解できない)リスナーは往々にして存在すると思うのですが、そういった議論と全く関係のない感覚、場所から現れた当代最強のブルータル・ミュージック。
Lee DorrianがANTISECTのスローパートにドゥームを見出したように、彼らもまた、モッシュコアにおけるビートダウン・パートという引き伸ばされた1音に、ドゥームも、『Roots』も『Wolverine Blues』も、DISEMBODIEDもCROWBERも詰め込んで昇華しているように思えます。
とかく無視/拒否されがちな90sのおもしろかった部分を、00s以降再び勢いを増してきたUSローカル・ハードコア・シーンのフィルターに通し完全ビルドアップ、GOATSNAKE(本作にはGreg Andersonがゲスト参加)とOBITUARY、90sハードコアを同義で鳴らしながらも、回顧感は皆無。
フィールドは全然違うけどACEPHALIXのスロウ&モッシュ版のような印象もあって、時代やカテゴリを超越するブルータリティを確立した必聴作。
大阪のSHE LUV ITもそうだけど、ビートダウンが持つ可能性の広さを感じさせてくれる作品でもあります。

text by 久保田千史