- 2018/05/01
ゆめうつつまぼろし / wombscape
- 発売日
- 発売中
- レーベル
- TII YOUR DEATH RECORDS
- 関連URL
- http://www.wombscape.com/index.htm
http://blog.livedoor.jp/newbleed66/
「V.A.TILL YOUR DEATH vol.3」のレビューでも書いたが、その系統のバンド達はバンドが放つサウンド、スタイルはそれぞれに独自のスタイルを持っていて、単純にこういった文章では説明するのが難しい部分があり、このwombscapeも自らを「アートコア」を標榜する通り、独自の世界観を持っている。
自分のような、やかましい音楽(主にメタル系)を愛する身としては「アート」という言葉にはどこか敷居の高さを感じ、ちょっとした拒絶反応があったりするが、wombscapeの提示する「アート」はその敷居を下げてくれて、接し易い世界を提示してくれているように感じる。 このレビューを天気のよい青空が広がる昼間に聞きながら書いているのだが、このシチュエーションが曲によってはベストアッチだったりしている。ちょっとこういうシチュエーションで聞くのがはまるバンドって、他には思い当たらない。ただ、それだけでなく、暗闇が似合う曲もあり、その対比が鮮明で、それがこのバンドの一つの個性となっているように感じる。 レーベルのインフォにある「アルバムを通して聴くと、まるで1つの映画作品を見終わったかのような感想をきっと抱くに違いない」という一文も非常に納得させられる内容。
このアルバムを聞くと、「バンド自身が自らをハードコアを根底としつつアートとしての表現・感情表現や情景描写を追求」と評するのには納得させられるものがあるし、自らを「アート」と宣言するだけの説得力を持つこの作品は、自分のようなメタルを主に聞くリスナーにこそ聞いてもらいたい。メタルを聞いている時には感じられない新しい世界への旅がそこに待っているはずだ。
text by Jumbo