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Rated Disc Battle

ディスクレビュー

エントリー

  • 2018/03/27

No Cure For Death / SECT

No Cure For Death / SECT
発売日
発売中
レーベル
Southern Lord Records
関連URL
https://sectsl.bandcamp.com/

2016年のデモと1stフル・アルバムが話題となったUS / カナダ混交ハードコア・バンドの2ndアルバム。メンバー構成があまりにもオールスターズ過ぎるから、話題にならないほうがおかしいというものです。カナディアン・ハードコア好きを公言するのであれば絶対に避けては通れないLEFT FOR DEAD、THE SWARM、COUNTDOWN TO OBLIVION、RUINATIONを渡り歩き、CURSED~BURNING LOVEの一員でもあるChris Colohanさんを筆頭に、CATHARSIS~UNDYINGのギタリストJimmy Changさん、RAMEWORK~EARTH CRISIS / THE PATH OF RESISTANCEのリフマスターScott CrouseさんとIan Edwardsさん、そしてFALL OUT BOYのドラマーAndrew Hurleyさんという、泣く子も黙る系ラインナップ。でもやっぱ、ここで忘れてはならないのは、FALL OUT BOYがUprising Recordsのアルムナイ・ロスターで、HurleyさんはCREATION IS CRUCIFIXIONと並ぶCyberdine 243代表格(といってもそんなにリリースがあるわけじゃないんだけど…)KILLTHESLAVEMASTERや、BURN IT DOWNとのスプリットでおなじみのRACETRAITORにも在籍した変態デスメタリック・ミリタント・ニュースクーラーだってことだ!!!! これはNEW FOUND GLORYが元SHAI HULUDかつDMSクルーだってのと同じくらい大事なことだ!2ndアルバムは残念ながらEdwardsさん不在ですが、新たに加入したのが、あのDAY OF SUFFERINGのメンバーだったSteve Hartさん!ヤバす!! でもまあ、SECTの音は非常にシンプルにまとめられていて、全メンバーの経歴で最も近いのはCURSEDだと思います。CURSEDにLEFT FOR DEADの瞬発力を加えて、パワーヴァイオレンス的ファスト&ショートに凝縮した感じです。現代のTomas Skogsbergと化した感のあるKurt Ballou(CONVERGE)の手によって、現代のSunlight Studioと化した感のあるGodCity Studioにて録音されているだけあって、パンクロック要素の強いNAILSみたいな感じもあります。各メンバーの特徴的な手癖とセンスが随所に現れるのもナイス。これはこれでめちゃくちゃかっこいいし、万万歳なんだけど、個人的にはメンバーのキャリアがもっと出まくったド変態ハードコアも聴いてみたいなあ。

text by 久保田千史