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Rated Disc Battle

ディスクレビュー

エントリー

  • 2018/03/19

Nine Cocoons Of Dens To F / COFFINS/SECOND TO NONE

Nine Cocoons Of Dens To F / COFFINS/SECOND TO NONE
発売日
発売中
レーベル
Daymare Recordings
関連URL
http://www.coffins.jp/

夢みたいなスプリット作品がDaymare Recordingsから登場です!言わずもがなの世界的ドゥーム / オールドスクール・デスメタル・オーソリティCOFFINSと、90s関西モッシュコアの象徴にして異端SECOND TO NONEが、両者のトレードマーク&ネクストを詰め込んだ濃厚過ぎる2曲を収録。COFFINSは、冒頭から回転数間違えちゃったBOLT THROWERをWINTERがプレイしたみたいなステンチィ・ドゥームでライジング。中盤でチテチテのオートプシングなファストパート(GG Allin感のないABSCESSのほうが近いかも)に雪崩れ込む展開もガッツポーズです!もう1曲は、DISCHARGEっていうより半減速DISGUSTって感じのDビートを用いたスウェディッシュ・デスメタル的疾走チューンを、デプレッシヴなスロウ・パートを交えて「Orgasmatron」的な執拗さで繰り広げ、時折VOIVOD感も出してきます。対するSECOND TO NONEは、拷問を予感させるカウントからしてスロウなLORD OF PUTREFACTION的ナンバー。初期フィニッシュ・デスメタルを思わせる湿度の高いメロディを絡めながらの圧殺です(時折ハーフ・スピードのDEAD-REFORCEに聴こえたりもする)。本作のラストを飾るもう1曲は、近年とみに磨きをかけているパラダイス・ロスティッシュなゴシック・メロディが全開の失楽園パートを前後に配し、OBITUARY刻みを挟んで、モッシュコアの出自がガチで投入されたフルスウィングの極悪パートを見せつけるコワ~イ展開。SECOND TO NONEの歴史を紐解くような素晴らしい仕上がりです。両者出自やバックグラウンドは全く異なるけれど、どちらのラインも好きで聴いていたという人は多いはずだし、今はそっちのほうがフツーだと思う。そういう良い時代を反映したようなナイス作品です。とりあえず、XIBALBAを聴いてSECOND TO NONEのパクりじゃん!って思った人は全員買うべきです!!!!!

text by 久保田千史