- 2017/03/13
HEARTLESS / PALLBEARER
ドゥームというと、とにかく重苦しい印象を持つ人が多いと思うが、メロディアスなフレーズやドゥーム系統としては他と一線を画すヴォーカルによって、ドゥームの王道とは違うベクトルを持つアルバムという印象を受ける。本作は前作に比べてメジャー感あるプロダクションで、バンドにとって飛躍の一枚になるような予感を感じさせる。ドゥームは苦手という人にとっては、このアルバムを入り口とするのが最適ではないかとも思う。
メジャー感あるプロダクションと称したが、前作が好きだった自分のような人間にも、それが嫌みなくいい方向に作用していると感じさせる。このポイントが実はバンドの転機では一番重要なポイントだったりすると思うが、このアルバムはこれまでのファンも満足させつつ、新しいファンも獲得出来る作品に仕上がっていると感じさせる。
哀愁を感じさせるメロディーは、方法論はまったく違うが、感情に直接的に訴える音という点では“激情系”と言われるバンド達と近い感覚を個人的には感じることが出来る。
ドゥームのカテゴリーの中だけでは語り尽くせない巨大な存在感のバンドになった、そう思わされる作品。発売後のバンドの立ち位置がどう変化していくのかが楽しみ。
text by Jumbo