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それぞれのメタル元年 その1 ~グラインドコア part.4(最終章)~

グラインドコア特集の最後はライター三名(Jumbo/山口勝正/久保田千史)によるグラインドコア名盤紹介です。
ここでは特集記事の「PART 1」「PART 2」「PART 3 」に分けて、各年代の名盤をご紹介します。

年代で分けると多少入り乱れてしまうし、厳密に言えばグラインドコアと呼ぶのも無理がある作品もあると思われます。
が、こうして同じようにグラインドコアが好きなライターでもこうして違いが出てくるのは世代的な違いや、こういったグラインドコアにどこから入って行ったのかで千差万別だと思われます。
どの作品も一度は聴いていただきたい秀逸な作品ばかり。新しい音源を探す際の参考にしていただければ光栄です。

[Part 1]

山口勝正 久保田千史 JUMBO
  • NAPALM DEATH / FROM ENSLAVEMENT TO OBLITERATION

    NAPALM DEATH / FROM ENSLAVEMENT TO OBLITERATION

    (1988作品)

    英国バーミンガムを拠点とする始祖的存在が自ら発明したグラインドコアの流儀を完全に確立した2ndアルバム。グラインドコアの何たるかを知りたければまず本作を聴くべし。

  • TERRORIZER / WORLD DOWNFALL

    TERRORIZER / WORLD DOWNFALL

    (1989作品)

    米国ロサンゼルスのグラインドコア・シーンを牽引した彼の地の先駆的存在。彼らがいなければPHOBIAもFEAR FACTORYもBRUJERIAも生まれなかったかもしれない。

  • CARCASS / REEK OF PUTREFACTION

    CARCASS / REEK OF PUTREFACTION

    (1988作品)

    ビル・スティア(Gu,Vo)がNAPALM DEATH加入以前に結成、ゴア・グラインドの先鞭を着けた3人組による1stアルバム。既に濃い目だが次作でさらにメタル成分が増量。

  • ELECTRO HIPPIES / PLAY FAST OR DIE

    CARCASS / REEK OF PUTREFACTION

    (1989作品)

    CARCASSのジェフ・ウォーカー(Ba,Vo)が在籍していた英国クラスト・ハードコア・バンドの2ndアルバム。1986年録音。グラインドコア前夜の限度を超えた激速曲満載。

  • ELECTRO HIPPIES / PLAY FAST OR DIE

    SORE THROAT / DISGRACE TO THE CORPSE OF SID

    (1988作品)

    80年代後半当時NAPALM DEATHを目の敵にしまくっていた英国の4人組による2ndアルバム。A.C.に先駆けて皮肉たっぷりのショート・カット・グラインドを101曲収録。

  • NAPALM DEATH / Scum

    NAPALM DEATH / Scum

    (1987作品)

    まだまだステンチクラスト色濃い1stフル。Lee DorrianやBill Steer、Jim Whitely(DOOM / RIPCORD)加入後の音源を収めたB面は無論素晴らしく、その路線はJimからShane Emburyにベーシストをチェンジした次作で大きく花開くこととなりますが、ここでご注目いただきたいのはJustin Broadrick、Nik Bullen、Mick Harrisの3人で制作された奇跡のA面。ギネス認定されたショートカットナンバー「You Suffer」でお馴染みとなっているだけにスピードが注視されがちですが、冒頭を飾るビートレスナンバー「Multinational Corporations」をじっくり聴けば、音響面でもニューウェイヴ/ポストパンク後の新たなへヴィネスを創出していたことが伺えます。JustinのネオサイケやSWANSにも通じるサウンドメイキングはGODFLESHやJESUへと受け継がれていますし、Mickによるリズムへの探究心が枯れていないことも暗黒過ぎダブステップへと進化している近年のSCORNを見れば瞭然。グラインドコア誕生の実験/革新的側面を象徴する音源。S.O.Bとのスプリットに収録されている「Multinational Corporations, Part 2」と聴き比べるとのも、次期メンバーとの嗜好の違いが確認できて面白いです。

  • S.O.B / WHAT'S THE TRUTH?

    S.O.B / WHAT'S THE TRUTH?

    (1990作品)

    日本では伝説のSelfish Records、ヨーロッパではLee Dorrian率いるRise Above Recordsからリリースされた、誰が聴いてもグラインドコアな記念すべき2ndフル・アルバム。初期グラインドコアの多くがクラストパンクを土台としているのに対し、S.O.Bはスケートとの密接な関係が象徴するようにクロスオーヴァースラッシュ色が強かったり(故にモッシュパート最高!EaracheのカタログナンバーはむしろS.O.Bに付けたい!)、ジャパニーズ・ハードコアらしさが滲んでいたり、双璧を成すNAPALM DEATHと比較しても特異な点が満載。Toy's Factoryからの再リリースにはNAPALM DEATHとのスプリット作に収められていた楽曲をボーナスで収録。Jumboさんもおっしゃっているように、破格のかっこよさ!グラインドコアファンは是が非でも必聴!

  • FEAR OF GOD / ZEITGEIST

    FEAR OF GOD / ZEITGEIST

    (2003作品)

    1980年代中~後半に活動したNAPLM DEATH、S.O.Bと並ぶレジェンド、スイスのFEAR OF GOD。DEAD PENI名義の活動でも知られるサウンドアーティスト / アクティヴィスト、Dave Phillipsが在籍していたことからも分かるように、NAPALM DEATH以上にポリティカルな要素が強く、欺瞞への嫌悪を剥き出しにしたノイジーな音塊群。オリジナルはすべて廃盤となっており、こちらは2003年にリリースされたダブルヴァイナルの最新ディスコグラフィ。CD派の皆様には2006年に中国製2CDディスコグラフィをおすすめしたいところですが、オフィシャルのリリースではないようです(オフィシャルのCD-R版はすでに廃盤)。かつてのインタビューではIpecacからCDヴァージョンをリリースすると語られているので、それを待ってみてもいいかも(すでに6年以上経過していますが…)。音源を探す時はLAの同名スラッシュメタルバンドと間違えないように要注意ね。

  • BOLT THROWER / REALM OF CHAO S(SLAVES TO DARKNESS)

    BOLT THROWER / REALM OF CHAOS (SLAVES TO DARKNESS)

    (1989作品)

    グラインドコアと呼んで良いのか分からないし、ここで紹介するのであれば本来、1stアルバム『n Battle There Is No Law』(1988)なのでしょうが、個人的にロゴが変わってからの重戦車デスメタル金太郎飴路線が大好きなので、ギリギリラインの2ndアルバムをチョイス。クラストパンク色の強い1stはもちろん最高にかっこいいのですが、後続への影響力は2nd以降の方が大きいと思うんです。グラインドコアが歩むデスメタル化への布石としてはもちろんのこと、90s以降のメタリックでソリッドなリフを用いるバンドの中に、直接的/間接的にかかわらずBOLT THROWERに影響受けていないバンドなんていないんじゃないでしょうか。メタルクラスト、グラインド、デスメタル、エッジメタル・ファンのみならず、MERAUDERやALL OUT WARのようなバンドのファンまで間違いなく必聴。妄信かもしれませんが(笑)、そう思わせるインパクト、破壊力を湛えた大傑作。

  • REPULSION / HORRIFIED

    REPULSION / HORRIFIED

    (1989作品)

    USグラインドの夜明け前にしてゴアグラインドのプロトタイプ。同国のTERRORIZERのみならずCARCASSやNAPALM DEATHにも絶大な影響を及ぼした偉大なるREPULSIONの唯一にして最強のアルバム。Chuck Schuldiner率いるデスメタルのパイオニア、DEATHの初期メンバーを務めていたMatt OlivoとScott Carlsonによって結成。グラインドコアとデスメタルのミッシングリンクを探すよりも、彼らのようなバンドから両者が派生したと考える方が手っ取り早いのかもしれません。とはいえ、そのサウンドは極めてパンキッシュ。当初はベイエリアスラッシュをプレイしていたMattとScottならではのクロスオーヴァー感と、Z級ホラー的残虐感がベストバランスで融合した奇跡の1枚!超スローペースながら現在も元気に活動中!

  • NAPALM DEATH / FROM ENSLAVEMENT TO OBLITERATION

    NAPALM DEATH / FROM ENSLAVEMENT TO OBLITERATION

    (1988作品)

    記事の中でも書いている通り、「グラインド・コア」という単語が使われるようになった決定打となった一枚と勝手に決め込んでる。今でもライヴで演奏される曲は1stアルバム「SCUM」の方が多く収録されているが、アルバムの完成度としてはこちらに軍配が上がる。乾いたクラストコアにも通じるサウンドはグラインドコアが元来ハードコアから派生していることを証明している。THIS IS THE GRIND CORE!!

  • NAPALM DEATH / THE MB-004 SESSIONS

    NAPALM DEATH / THE MB-004 SESSIONS

    (1989作品)

    NASUMの故MieszkoのフェイバリットにもなっているMB-004 SESSION。個人的にS.O.Bのカヴァーが収録されている2度目のセッションが最高。どちらのセッションもアルバムよりも数倍重いサウンドになっており、破壊力は更に倍増しているだけに衝撃度は大きい。が、猛烈にブルータルながら聴きやすいという奇跡のようなサウンドプロダクションを実現している。

  • S.O.B / NAPALM DEATH / Split Flexi

    S.O.B / NAPALM DEATH / Split Flexi

    (1989作品)

    S.O.Bのサウンドが初めてグラインドコアとなった作品とこれも勝手に思い込んでいる作品。初期グラインドコアにあったハードコア流儀の荒々しさが吹き荒れる感じが最高。異様なまでにテンション高いサウンドは個人的にS.O.Bの最高傑作!勿論NAPALM DEATHも文句なしのカッコ良さ!

  • S.O.B / THRASH NIGHT(7EP)

    S.O.B / THRASH NIGHT(7"EP)

    (1989作品)

    S.O.B初のUK/ヨーロッパ・ツアー時に英国で録音されたシングル。全て再録なのだが、全ての曲が一気にブルータルにグラインドしている。オリジナル発表時の音源は今聴けばグラインドというよりはファストなハードコアという雰囲気だが、この作品で全曲グラインドコア化しており、グラインドコアバンドとしてのS.O.Bの凄みがすでに産まれている。

  • V.A(NAUSEA) / MUST GET TO THE POWER OF THE DEFFENCE FOR…

    V.A(NAUSEA) / MUST GET TO THE POWER OF THE DEFFENCE FOR…

    (1989作品)

    これはオムニバスですが、対象はNAUSEA。NAUSEが残した唯一の音源。日本でいち早くNAPALM DEATH以降、グラインドコアとも言えるサウンドを打ち出したのはこのNAUSEAだった。現在のUNHOLY GRAVEに繋がるTakaho氏のグラインドの原点がここに!

[Part 2]

山口勝正 久保田千史 JUMBO
  • BRUTAL TRUTH / NEED TO CONTROL

    BRUTAL TRUTH / NEED TO CONTROL

    (1994作品)

    グラインドコアの進化と深化に決定的な影響を与えた米国東海岸拠点の革新的4人組による2ndアルバム。リッチ・ホーク(Ds)が加入、ノイズ音楽の要素も取り込んだ意欲作。

  • EXIT-13 / ETHOS MUSICK

    EXIT-13 / ETHOS MUSICK

    (1994作品)

    『Relapse』共同主宰ビル・ユールキーウィッツ(Vo)がダン・リルカ(Ba)らとやっていた葉っぱ大好き4人組による2ndアルバム。ジャズに通じる洒脱な即興演奏の心得もあり。

  • AGATHOCLES / RAZOR SHARP DAGGERS

    AGATHOCLES / RAZOR SHARP DAGGERS

    (1995作品)

    膨大なEPリリース数でも知られるベルギー出身の古参バンド。ミンチコアを自称するが真っ当なグラインドコアが聴ける1995年発表作。BRUTAL TRUTHもカヴァーした。

  • AGORAPHOBIC NOSEBLEED / HONKY REDUCTION

    AGORAPHOBIC NOSEBLEED / HONKY REDUCTION

    (1998作品)

    PIG DESTROYERなどを動かすスコット・ハル(Gu)がA.C.脱退後に結成した超速グラインドコア・バンドの1stアルバム。ドラム・マシンを用いた限界突破ビートに痺れる。

  • ASSUCK / ANTICATITAL

    ASSUCK / ANTICATITAL

    (1991作品)

    TERRORIZER活動停止の穴を埋める以上の存在感で登場したUSグラインドの金字塔。90年代にパワーヴァイオレンスの嵐を呼ぶこととなる重要レーベルのひとつ、Sound Pollution Recordsの記念すべき初フルアルバム。そしてTERRORIZER「World Downfall」と同じScott Burnsがエンジニアを務めているというのも感慨深いです。ギタリストのSteve Heritageはエンジニアとしても腕の立つ人物で、HOT WATER MUSICのほぼ全作品やASSHOLEPARADE、CAVITY、COMBATWOUNDEDVETERAN、TWELVE HOUR TURNなどNo Idea Records周辺、CAVITY、SHAI HULUDといった同郷フロリダ拠点バンドから、COALESCE、SUFFOCATIONまで数多くの作品に携わっているというのも見逃せない点。ドラマーRob ProctorがNASTY SAVAGEのライヴサポートを務めていたという経歴もたまりません。

  • BRUJERIA / MATANDO GUEROS

    BRUJERIA / MATANDO GUEROS

    (1993作品)

    “メキシコからやってきたサタニストのドラッグディーラー兼殺人テロリスト集団”という覆面設定ありきでグラインド新境地(?)を開拓。EXCRUCIATING TERRORやPHOBIAといった90s西海岸を代表するグラインダーズをはじめ、GRIEFや16、EYEHATEGODからUNRUHまでリリースしていた名門Pessimiser/Theologian Recordsの傑作コンピレーションシリーズ「Cry Now, Cry Later」第2弾にはFACTORIA DEL MIEDO名義でのFEAR FACTORY楽曲が収められていましたが(「Concrete」でも聴くことができます)、正にその路線。この重量級(ルックスも含め)ギタリスト、いつも同じことをやってる的に言われることもあるけれど、この人にしか出せないマジックみたいなものを確実に持っていると思う。FEAR FACTORYへの復帰作「Mechanize」の良さはそこにあるんじゃないでしょうか。ソロ名義ASESINOの作品も必聴。

  • CREATION IS CRUCIFIXION / AUTOMATA

    CREATION IS CRUCIFIXION / AUTOMATA

    (1999作品)

    CHAPTERやABNEGATIONのメンバーによって結成され、後にZAOやCATTLE DECAPITATIONへと加入する人物が輩出した、とんでもないバンドの1stフル。ニュースクールハードコアを出自とし、メタリック&テクニカルな上にTODAY IS THE DAYにも通じる変態的なヘヴィネス、マスコアにも括ることができるであろうカオティックな展開、しかもエクスペリメンタルでポリティカルという特異過ぎるスタイルを確立。CIRCLE OF DEAD CHILDRENやION DISSONANCEといったWillowtip Records周辺、はたまたCEPHALIC CARNAGEのようなメタル寄りとも呼応しながら、デスメタルとして括るにはハードコア過ぎる、テックグラインドとしか言いようのないカテゴリを作り上げていたと思います。BENUMBとスプリットをリリースしていたPREMONITIONS OF WARもそういうタイプかも。そこにデスメタルを掲げながらもクラスティグラインド的メンタリティを持ったMISERY INDEXようなバンドもDeep Six Recordsを通じて絡んできたりと、様々なスタイルが交差するおもしろい時期でした。

  • MACHETAZO / CARNE DEL CEMENTERIO

    MACHETAZO / CARNE DEL CEMENTERIO

    (2000作品)

    日本のファンにはCORRUPTEDやRISE ABOVEとのスプリットEPでおなじみスペイン産デスメタリックグラインダーズ。ひとえにデスメタリックと言っても、彼らの場合AUTOPSYやMORTICIANのようなズルズルとしたヘヴィネスやホラーテイスト満載のスタイル。ライヴサポートとして同国のヴィーガンエッジメタルバンドJUSTICE DEPERTMENTのメンバーも在籍するLOOKING FOR AN ANSWERの面々が参加しているのも面白いところ。本作をリリースしていたRazorback Recordsは、オールドスクールなデスメタルやスラッシュメタル、にホラーとグラインドをミックスしたIMPETIGO的ゴアグラインドを多数リリースしていましたが、一本調子になることはなく、GHOUL(米オークランド)を筆頭に皆個性的。90sグラインド重要レーベルのひとつではないでしょうか。

  • DISCORDANCE AXIS / THE INALIENABLE DREAMLESS

    DISCORDANCE AXIS / THE INALIENABLE DREAMLESS

    (2001作品)

    80s後半から活動していた変態デスメタル集団HUMAN REMAINSのSteve Procopioとご存知天才Dave Witteの2人に、奇才Jon Changが合流して結成されたベースレス編成のハイパーグラインダーズ。ヲタグラインドの走りかもしれないけど、凡百のグラインドコアとは間違いなく一線を画する圧倒的なテクニックと存在感。衝撃の1stフル「Ulterior」、攻殻機動隊過ぎる「Jouhou」、DEF.MASTER、HELLCHILD、MELT-BANANAほかとの数多あるスプリットEP、どれもが最高ですが、ISISのAaron率いるHydra Head Recordsよりリリースされた本作は彼らの到達点にしてグラインドコアの到達点とも言える大傑作。コンパクトかつシンプルなショートチューンの連発ながら煌くようにプログレッシヴな展開、語弊を恐れず言えばキャッチーですらあるフック満載のソングライティング。これ以上にグラインドの未来を感じさせるものは聴いたことがありません。と言ってしまおう!新劇場版に合わせて再結成してくれないかな…。

  • MONSTER X / INDOCTRINATION(Complete Discography)

    MONSTER X / INDOCTRINATION(Complete Discography)

    (2003作品)

    DAS OATHやDEVOID OF FAITHにも在籍したGloom RecordsのオーナーNate Wilson、Hater Of God RecordsオーナーJohn Moran、一時DROPDEADのメンバーも勤めたDevon Cahillらによる奇特グラインダーズ。何が奇特かって、YOUTH OF TODAY、CHAIN OF STRENGTHに代表される88ユースクルーのフォーマットに、グラインドをブチ込んでしまった後にも先にも類を見ないスタイル。奇特としか言いようがありません。これが最高にかっこいい!さすがオルバニー拠点だけあって、SKINLESSと対バンすることもあったようです。Hater Of God Recordsからリリースされたこちらのディスコグラフィには、CAPITALIST CASUALTIES、SPAZZ等とのスプリット作、Ebullition Records、Reservoir Recordsといった90sを彩る名レーベルからの単独作、そしてGloom Recordsからのユースクルーカヴァー集ほかをすべて網羅。一家に一枚!

  • TERRORIZER / WORLD DOWNFALL)

    TERRORIZER / WORLD DOWNFALL

    (1989作品)

    本当は彼らのデモテープが一番好きな作品なんだけど、彼らの残したデモテープはスタジオでの練習をマイク1本だけで録音した簡易的な音源しか残っておらず、正式なレコーディングを初めて行ったのがこのアルバムだった。 当時のデスメタル系プロデューサーの第一人者スコット・バーンズのプロデュースによりデモテープで聴けたサウンドからは生まれ変わった怒迫力のサウンドに大変身。これも手伝ってかリリースから瞬く間に話題となった。

  • V.A / THRASHING DEATH POWER

    V.A / THRASHING DEATH POWER

    (1991作品)

    S.O.B以降の日本のシーンの最前線にいた札幌のSATANIC HELL SLAUGHTER、東京のMULTIPLEX、名古屋のGIBBEDによる日本初のグラインコア・コンピレーション。プロデュースはS.O.BのTOTTSUNA。プロデュースはサウンド面ではなくこのアルバムのプロデュースという意味。この3バンドはTOTTSUNAの選んだ3バンド。グラインドコアではあるが、この時代のバンドの特徴とも言えるデスメタル要素が強いサウンドで初期NAPALM DEATH等と比べると曲が長い。現在はGIBBEDだけが現役。

  • BRUTAL TRUTH / NEED TO CONTROL

    BRUTAL TRUTH / NEED TO CONTROL

    (1994作品)

    BRUTAL TRUTHは全作品素晴らしいんだけど、特にこの2ndアルバムは突き刺さるようなとげとげしい音とバンドの特徴であるカオティックな部分も見え始めた作品。1stがかなりサウンド面でデスメタルに近い感触だったが、その反面この2ndはハードコア然とした作品と言えるだろう。現ドラマー、Rich Hoakが参加した最初の作品。

  • DISCORDANCE AXIS / ULTERIOR

    DISCORDANCE AXIS / ULTERIOR

    (1995作品)

    初期NAPALM DEATHの再来と言われた本作。ベースがいない編成のため音の重さはないものの、初期NAPALM DEATHのファン及びグラインドコア・ファンならば気に入ることは間違いない作品、それもそのはずで中心人物であるJohn ChangはNAPALM DEATHの1st、2ndの熱狂的なファン。NAPALM DEATHと違い絶叫を中心としたヴォーカルは強烈。ドラムは現MUNICIPAL WASTEのDaveが担当しており、凄まじいブラストビートをバシバシ決めまくっている!

  • PHOBIA / MEANS TO EXISTENCE

    PHOBIA / MEANS TO EXISTENCE

    (1998作品)

    デスメタル寄りなサウンドで登場したPHOBIAだったが、年々アンダーグラウンドな方向へ進路を取りパワーヴァイオレンスの巣窟SLAP A HAMからリリースされた1stアルバム。初期NAPALM DEATHを彷彿とさせるハードコア然としたサウンドはとにかく鮮烈! クラストコアの要素も多分に含んでいるけど、このバランスはNASUM同様に抜群。

[Part 3]

山口勝正 久保田千史 JUMBO
  • NASUM / HUMAN 2.0

    NASUM / HUMAN 2.0

    (2000作品)

    スウェーデンの地下メタル界隈で既に知られる存在だったミエツコ・タラーツィク(Vo,Gu)を中心に結成された3人組による2ndアルバム。グラインドコアを再燃させた気鋭。

  • NAPALM DEATH / ENEMY OF THE MUSIC BUSINESS

    NAPALM DEATH / ENEMY OF THE MUSIC BUSINESS

    (2000作品)

    グルーヴ・メタルに嵌って90年代後半を迷走していたNAPALM DEATHが会心の突破を見せた9thアルバム。次作以降もますますグラインドコアへの純化を進め快作を連発中。

  • THE DILLINGER ESCAPE PLAN WITH MIKE PATTON / IRONY IS A DEAD SCENE

    THE DILLINGER ESCAPE PLAN WITH MIKE PATTON / IRONY IS A DEAD SCENE

    (2002作品)

    米国ニュージャージー拠点の複雑系自由思考派がマイク・パットン(Vo)を迎えて制作したEP。純粋なグラインドコアとは言えないがその発展形を示す先取的着想に満ちた傑作。

  • PIG DESTROYER / TERRIFYER

    PIG DESTROYER / TERRIFYER

    (2004作品)

    スコット・ハル(Gu)率いる当代屈指の進歩的グラインドコア集団による3rdアルバム。鋭利なリフとリズムの殺傷力、緊張感に満ちた楽曲の破壊力は無類。30分超の大曲も収録。

  • ROTTEN SOUND / CURSED

    ROTTEN SOUND / CURSED

    (2011作品)

    フィンランド出身の実力派による新作。近年はデス・メタル由来の重厚な整合感に溢れる堅牢なサウンドを指向。フロントマンはNASUMの20周年記念ツアーでも歌っている。

  • C.S.S.O. / NAGRO LAUXES VIII

    C.S.S.O. / NAGRO LAUXES VIII

    (1995作品)

    現BEYOND DESCRIPTIONの安達氏が在籍していたVIVISECTIONと共にスウェディッシュ重鎮NASUM、RETALIATIONと並び収録された4ウェイスプリット作に続いてリリースの記念すべき1stフル。まず飛び込んでくるのが、終末的世界のイラストレーションでも血みどろ写真でもなく、フェティッシュなアートワーク。これは新しかった。そしてゴアグラインドにロックンロールとオールドスクールなジャパニメーション&特撮テイストを投入した、EXIT 13とは一味違う変態グラインドロックに驚愕。GORE BEYOND NECROPSYのNOISE A GO GO'S化と併せてぜひ聴いておきたいグラインドロック金字塔。Gorepper 5 / Analtoshitこと関根氏はBUTCHER ABCのリーダーとしてはもちろんのこと、レーベル&ショップ「Obliteration Records」、ギャラリー「galeria de muerte」のオーナーとしても大活躍中!本作をリリースしていた独Morbid Recordsは、AGATHOCLES(BEL)、DEAD INFECTION(POL)、HAEMORRHAGE(ESP)を筆頭に良質バンドを多数リリースしていて、ゴアグラインドファンはみんなチェックしていた(と思う)レーベルでした。

  • 324 / SOULWINTER

    324 / SOULWINTER

    (1999作品)

    ERODED解散後、ベース&ヴォーカルの山本氏が中心となって結成したバンドの2nd EP。名門H.G.Factより。Max Ward(SPAZZ)主宰レーベル625 Thrashcoreからリリースの1st EP「Customized Circle」ですでにクラスト的にシンプルなループ感、タイトかつコンパクトな音楽性を確立していましたが、本作より日本語詞を導入、ジャパコアに通じる熱いリリシズムを生み出す事に成功。こんなことをやってのけたのは世界にグラインド数多あれど、彼らしか存在しないでしょう。この路線は翌年の初フルアルバム「冒涜の太陽」でさらに炸裂。山本氏がヴォーカル専任にチェンジしてからはダークかつ壮大な世界観も取り入れた他に類を見ないサウンドへと深化してゆきます。彼らの魅力は何と言っても壮絶な熱量のライヴ。もう観られないのかと思うと寂しい限り。世界屈指のハイパーブラスター、坂田氏の超絶ドラミングもハンパないので兎にも角にも必聴!

  • DISGUST / UNDERMANKIND

    DISGUST / UNDERMANKIND

    (2001作品)

    ロッキンになる前のVOIDDでもプレイしていたベーシスト、遠藤氏が在籍する名古屋シティグラインダーズ。元CEMMENTのシンガー、Atsu氏がマイクを握っていた時代にリリースされた1stフルアルバム。DISRUPT直系と言えるヴァイオレントなクラストスタイルに、デスメタル譲りのブルータリティ、TERRORIZERも真っ青のブラスティングを投入。HEMDALE(US)とのスプリット作(凄惨なジャケットに注意!)からかなり間を空けてのリリースだったこともあって、プレイボタンを押した瞬間の衝撃はハンパなかったです。本作ではちょっとラッピンなスポークンも交えたスタイルとなっており、それもまた個性的。新ヴォーカル林氏加入後の2ndフル「War Deterrent」も超強力作なので併せて当然必聴!

  • UNHOLY GRAVE / TERRORAGING CRISIS

    UNHOLY GRAVE / TERRORAGING CRISIS

    (2006作品)

    プロトジャパニーズグラインドと言っても過言ではないであろうDEATHPEEDやNAUSEAに在籍していた小松氏率いる言わずもがなの東海、いや日本グラインドマスター。とにかく多作、しかもどれも素晴らしい作品ばかりの彼らだけに1枚のみ選出するのは相当に困難ですが、自身のレーベル、Grind Freaksの第1弾としてリリースの本作はUNHOLY GRAVEの魅力がコンパクトかつ濃厚に封じ込められており、入門編としては最適かもしれません。レーベルと同じ名をタイトルに冠した名物イベント「Grind Freaks」や、その拡大版「Grind Bastards」を精力的に展開、日本グラインド界の守護神と言えるでしょう。ストリートパンクからメタルまで、ジャンルに囚われず対バンする姿勢も魅力的。

  • BLACK GANION / HAKKYO!

    BLACK GANION / HAKKYO!

    (2004作品)

    RESULT~CALUSARI、DEVICE CHANGE、CAUSEという2000年代の名古屋を代表するバンドの面々が集い結成された突然変異グラインダーズ。自主レーベルよりリリースされた衝撃の1st EP。それぞれが経歴の中で築いてきたテイストが滲んではいるものの、過去が見えなくなるほどに黒く渦巻くカオスの隙間から微量漏れる程度。確実に先を見据えたフューチャーグラインドは、全エクストリームミュージックファンの琴線に触れるはず。ギタリストAiの急逝を乗り越えて制作された2007年の1stフル『First』ではより自由度の高い音楽性を披露しており、こちらも当然必聴。振り幅デカ過ぎのボーダーレスな活動範囲にも注意。他ジャンルとの架け橋としても日本最重要の存在。

  • SWARRRM & MORTALIZED / split

    SWARRRM & MORTALIZED / split

    (2007作品)

    神戸が誇る孤高のハイパーカオスグラインダーSWARRRMと、日本最速の呼び声も高い京都のフルブラストアーミーMORTALIZEDによる関西頂上決戦!SWARRRMは元HELLCHILD~FROM HELL、ATOMIC FIREBALLのシンガー原川氏加入後の音源で、壮絶としか言いようのない暴虐の限りを尽くす混沌極まりないプログレッシヴ過ぎる2曲。スラッシーなリフワークが持ち味のMORTALIZEDも、本作ではブラックメタルに通じる悲壮感漂いまくりの楽曲でよりサタニックに参戦。SOLMANIA/VERMILION SANDS大野氏によるアートワークも格別で、当代日本最高峰のグラインドコアを知るにうってつけのスプリット。

  • PIG DESTROYER / PROWLER IN THE YARD

    PIG DESTROYER / PROWLER IN THE YARD

    (2001作品)

    リフは基本的にはスラッシュメタルからの影響が絶大で、この作品でも秀逸なメタリックなリフを聴かせてくれる。記事でも書いたように、グラインドコアにメタル由来のリフがある事自体は当たり前と言えば当たり前。そういう意味でもやはりこのPIG DESTROYERはグラインドコア・バンドと言って何も問題はない。今年ニューアルバムのリリースを控えている。

  • NASUM / HELVETE

    NASUM / HELVETE

    (2003作品)

    NAPALM DEATHのグラインド魂を再点火させたのは1stの「IN HALE/EX HALE」だろうが、ツアーも活発に行うようになり、1stの5年後に制作された3rdとなる本作は個人的にはNASUMの最高傑作だと思っている。単純なショートカットなグラインドコアからは脱却しているが、それがメタルに走ったとはまったく思わせない音楽性で常にグラインドコア然としている。バンドが一番のっていた時期の作品であり、その勢いが込められた作品となっている。NAPALM DETAHのShaneがゲスト参加。

  • 324 / ACROSS THE BLACK WINGS

    324 / ACROSS THE BLACK WINGS

    (2003作品)

    解散が今でも悔やまれる324。この作品(シングル/ミニアルバム)では単純なショートカットなグラインドコアから前進/進化を見せた作品。メタル化したとは言わせないほどにダークな空気感を持ち、息苦しいほどに切迫する迫力の作品。現在はGIBBEDのドラムを担当するSakata(Dr)は世界レベルの強烈なブラスト・ドラマーであることは間違いない。世界的に見てもグラインドコアの歴史に名を刻むべきバンドだ。BRUTAL TRUTHのKevin(vo)が共演した時に「日本のTERRORIZERだ!」と興奮していたのが忘れられない。

  • SWARRRM / BLACK BONG

    SWARRRM / BLACK BONG

    (2007作品)

    すでに10年以上のキャリアを誇る神戸のグラインドコア。現在はFROM HELL(ex-HELLCHILD)のTSUKASAがヴォーカルを務めている。本作はTSHUKASA加入後初の作品で、これまでのスプリット提供曲のヴォーカルを再録した作品。カオティック・グラインドとも言われる混沌とした音像は実に個性的。破壊的でありながらも、どこか美しさを感じさせる個性的な一枚!

  • ROTTEN SOUND / CURSED

    ROTTEN SOUND / CURSED

    (2011作品)

    昨年来日が決定するも残念ながらイベントが中止となり来日も果たせなかったフィンランドのグラインドコア。以前はゴア要素も満載な時期があったが、最新作を含め現在のサウンドはNASUMにも通じるクラストコア/ハードコア要素が強い。 スピードに対するこだわりは強く遅くなると言う事は一切なくグラインドファンとしては常に信頼のおける存在のバンドと言えるだろう。

text by Jumbo / 山口勝正 / 久保田千史