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ETD Special

スペシャル

インタビュー

NECROPHILE インタビュー

世界的なデスメタルの盛り上がりの以前から日本では大阪のBELETH、名古屋のDEATHPEED等がいち早くデスメタルを実践。同時期、東京ではCRUCIFIXION、MESSIAH DEATH等が活動を開始していた80年代中盤。
世代的に上記したバンドより数歳下の世代となるNECROPHILEは1988年に1stデモ「THE TERMINAL DERANGEMENT」を発表。
しかしながら、当時はメンバー2名によるバンドで、音源制作はされていたがライヴ活動はほとんど行われていなかったが、1990年よりライヴ活動を開始し、1991年にはバンドの創始者TAKAAKI OHKUMA(Vo/Ba)、TRANSGRESSORのTAKASHI TANAKA(Dr)、KENICHI MATSUNAGA(Gu/後にHELLCHILDのベースを担当)というラインアップにより、日本のデスメタル・バンドとしては初めてアメリカでライヴを行い、SADISTIC INTENT、DECEASED等と共演を果たした。
しかし、その後TAKAAKI OHKUMAはMULTIPLEX(MULTPLEXではヴォーカル)、TAKASHI TANAKAはTRANSGRESSORの活動に専念し、NECROPHILEは活動を停止。後にKENICHI MATSUNAGAはHELLCHILDにベースとして加入している。
そこから20数年が経過し、2012年12月に突如NECROPHILEはTAKAAKI OHKUMA(Vo/Ba)、TAKASHI TANAKA(DrからGuにチェンジ)、KEISUKE MTSUNAGA(Dr/オリジナルメンバー)という編成にて活動を再開。
そして活動開始から30年にして遂に1stアルバム「AWAKENING THOSE OPPRESSED」をドイツのUnholy Propheciesよりリリースした。
スラッシュメタルからデスメタルへ進化するその過程をリアルタイムで体験してきた者だからこそ出せるサウンドは、現在のシーンにおいては希少な存在であり、世界的に見てもこういったサウンドのバンドは現在のデスメタル・シーンでは比類する存在がなかなか見当たらない存在だと言えるだろう。
正にシーンの生き証人と言えるNECROPHILEの創始者TAKAAKI OHKUMA(Vo/Ba)にインタビュー。

interviewed by Jumbo
NECROPHILE

Interview with TAKAAKI OHKUMA(Vo/Ba)


2013年に活動を再開するまでは20年近く活動を停止してましたが、活動再開を行う際の一番の原動力は何でしたか?
NECROPHILE

TAKAAKI OKUMA(以下 T) :ぶっちゃけ、ズルズルと流れるままに(笑)。
まじめな話、同世代とか先輩の方々もバリバリと現役を続けてるし、海外でも昔交流があったバンドが継続してたり、また活動再開してたりというのは刺激になりましたよね。
あと、さらにまじめな話、大震災とかもあって、自分でちゃんとやりたいことをやって生きてないといかんなぁというような思いも、活動再開の前あたりは強くなってましたね。
で、ドラムのケースケは中高時代の同級生で、元HELLCHILD/NECROPHILEのケンイチも同じく同級生だったから、NECROPHILEを再開してない頃もたまに飲んだりする間柄で、MISFITSなんかのキャッチーなハードコア(?)系のコピーバンドでスタジオで遊んだりはしてたんですよね。
ギターのタカシも学校は違うけど同い年で、連絡先はわかっててやり取りもしてて、一緒に飲んだりすることもあったんです。
それで、2011年に僕がアメリカから帰国してからは、昔対バンとかしてた面々との交流も始まりつつ、過去の音源をまとめたCDもリリースされたりしてて、ケースケやタカシと久々にNECROPHILEをやってみようかと練習に入ったら、それを聞きつけたObliteration Records/BUTCHER ABCのナルトシ君が2012年12月の彼の企画Asakusa Extremeに誘ってくれた、というような感じですね。
活動再開後の初ライブは、本当にヒドいもんで申し訳ない限りでしたけど、若い頃に対バンしてた人たちがまだたくさん続けてて、その継続力とか演奏力にはとても及ばないながらも、やっぱり自分でもバンドをやりたいという原動力にはなってますね。

2013年に活動再開後は以前はドラム担当だったタカシがギター担当になりましたが、それはどういった経緯で?
U.Sライヴ時

1991年U.Sライヴ時、当時のSADISTIC INTENTのヴォーカルEnrique Chavezと共に。

U.Sライヴ時

1991年U.Sライヴ時、ロスでの初ライヴ後1週間Enrique宅に滞在し、地元のバンド仲間と共に。

T :ジャンボ君もかすかに覚えてるかもしれないけど、タカシってNECROPHILEが1990年に東高円寺で初ライブをやったときはギターだったんですよ。
ケンイチとツインギターで、ケースケがドラム。
その日は、ケンイチがトラック運転手の仕事で渋滞にハマってライブに間に合わなかったので、幻のツインギターライブでしたが(笑)。
で、その後はケースケが辞めちゃってタカシがドラムに移ったんですけど、2012年に活動を再開したときはケンイチが仕事で忙しくてバンド活動はできないってことで、今の3人編成でやることになった次第です。
今の練習場所がケンイチの家に比較的近いので、練習後に飲んだりするときもごくたまにありますけど、メンバーとして加わる気配はないですね(笑)。

アルバムの制作はいつ頃から、初めていたんですか?

T :制作は2016年の春ごろですね。
活動再開後のComp CDやSplit EP向けのレコーディングのときにもお世話になってるFUNERAL MOTHの藤島君に今回も大変お世話になりました。
活動を再開してからちょこちょこ新しい曲も溜まってきたし、ライブで物販とかをしてるときも、昔の音源の復刻版ばかりを売るのは過去形で侘びしくなってきたんですよね。
というわけで、まとまった音源を一度は現在形で録ろうという話になったんです。


アルバムは全体的に80年代後期のスラッシュからデスメタルへの進化の過程の最初の頃の初期SEPULTURA等を彷彿とさせるスピード感を感じましたが、そういったスピード感は意識しましたか?
NECROPHILE

T :NECROPHILEとしての細々とした活動って1991年ぐらいまでなんですよね。
その頃までのデスメタルって、スラッシュメタルとかとの境界線が曖昧なものが多かったし、実際自分も「デスメタル」ばかりを聴いてきたわけじゃなくて、中学生ぐらいからスラッシュメタルやハードコアも同じように聴いて育ってきて、NECROPHILE結成時も拙いながらもやっぱりそういうSEPULTURAっぽいスピード感への愛とか初期SODOMのドタバタっぷりへの共感とかって強かったです。
だから2012年に活動を再開して、新しい曲を作るようになったときも、このバンドでやるのはそういうルーツ的な古臭さを持った音にこだわってきたというのはありますね。
チューニングも半音下げるだけにしてます。
「デスラッシュ」と言われるような音が、自分でやる上では一番しっくりくるんだと思います。

あえて今のブラストビートのスピードは使用しなかったという感じですか?

T :あ、それは速く叩けないだけ(笑)。
というか、ドラムのケースケはUNHOLY GRAVEとか大好きで、彼が作った"Irrepressible Discharge"という曲なんかにはグラインド的な要素も入ってると思うんですが、他の曲でのブラストっぽいパートもやっぱり完全なブラスト向けのリフにはなってないですね。
ただ、「リアルなブラストはやらない!」なんていうカッコいいこだわりがあるわけでもないし、境界線もよくわかってません(笑)。
でも、ツーバスブラストでも好きなバンドはたくさんいますが、NECROPHILEとしてはワンバスブラストへのこだわりだけはありますね。

NECROPHILE
再録の曲が多く収録されていますが、これはこのアルバムがこれまでのNECROPHILEの集大成という意味合いがありますか?

T :これまでの曲を一度はまとめて録り直したいという気持ちはありましたので、確かに集大成というような位置づけにはなるかもしれないですね。
昔のデモやComp CDに収録されてたり、デモにすら収録されていない曲で、今回のアルバムに入ってない曲ももちろんありますが、そのあたりは最近のライブでもあまりやらないので、アルバムからは外しました。

再録の曲以外は活動再開後に新たに作られた曲ですか?

T :そうですね。
アルバムの1曲目から5曲目までが2012年以降に作られた曲です。
1曲目の"Depravity Within"はNECRORITEとのSplit EP、2曲目の"Desire for Asphyxia"は「Grind Bastards #8 Comp. CD」にも収録されていますが、今回は全て録り直してます。

現在作曲の中心は誰が?
NECROPHILE

T :一応は僕ですね。
ただ、さっきもちらっとお答えした通り"Irrepressible Discharge"はケースケが書きましたし、アルバムにも収録されていないD-Beat混じりの曲はタカシが書いてます。
それぞれが原案を持ち寄って、アレンジを加えていく感じですね。
別のメンバーの原曲を僕が勝手にアレンジしすぎてスタジオに持ってきて、怒られたこともあります(笑)。

歌詞の内容はどういったテーマが基本になってますか?

T :一言で言っちゃうと「心の闇」みたいな感じなんですかね。
チャルメラと呼ばれてとりあえず一番知られている"Night of the Gloomy Narcist"のコーラス部分は、「俺はハイエナだ、偉大なるハイエナだ、永遠のハイエナだ」なんて日本語にするとこっ恥ずかしい歌詞なわけですが(笑)、孤独だったり荒んだりしている心の中で妄想とか自己陶酔とかが膨らんで暴発したり、最終的に自分を追い詰める欲望に駆られたりするような感じを歌詞の題材にとっている曲が多いかもしれません。
逆に、自分だけ平穏に過ごしてるつもりだったり、優位に立ってるつもりでも、その足元の危うさとかを表現する歌詞もチョコチョコあったりするかな。
ゴテゴテに死とか殺戮とかを直接の題材にするような歌詞はほとんどないですね。

歌詞の内容に以前の活動時と大きな違いはありますか?

T :あまり大きな変化はないかもしれません。
人生を過ごすうちに、妄想を抱いたり他人に凄まじい嫉妬や攻撃を加えたりするような人たちにもますます実際に遭遇して、さっきの「心の闇」みたいなことを考える機会もむしろ増えましたからね。
題材には事欠きません。

アルバム制作で念頭に置いていた一番気をつけた部分や、目指していたものはどういったものでしたか?

T :そもそも基本的な演奏力がないということがありますが(笑)、昔と違って色々と録音技術的に手を加えられるようにはなっても、荒さとか粗さをちゃんと残すようにはしたいと思ってました。
最終的にタカシが中心になって色々と細かい部分の調整もしたんですが、ボロくてヤバいなぁと思うところも結構ありつつ、まぁこのまま行っちゃえ的な感覚とのバランスが難しかったですね。

アルバム「AWAKENING THOSE OPPRESSED」の聞きどころ、一番聞いて欲しい部分はどういった部分ですか?

NECROPHILE

AWAKENING THOSE OPPRESSED
AWAKENING THOSE OPPRESSED

T :聴きどころというほどカッコいいものではないですが、オールドスクールというのか何というのか、シンプルでストレートなデスラッシュっぽい音ってむしろ最近はあまりないかもしれないので、そういう古臭い音を現在形で聴きたいというような方々に響けば嬉しいですね。
かなり限られた人たち向けだなぁという気はしてます(笑)。

音楽活動から離れていた時期もありましたが、80年代後半からシーンを実際に体験し、自分でもシーンに関わって来た人間の目には現在のデスメタル・シーンはどのように映りますか?

T :「デスメタル」といっても、今は本当にびっくりするほど多様化してますよね。
若い人たちがやってるブルデス系の音より、自分たちの音はスラッシュとかハードコアの方に近い要素もあると思ったりもします。
でも、人間が丸くなったというか、いろんな音のバンドが、細かいジャンルの違いを超えて頻繁に対バンするようになって、多少色々とあるにはせよ、基本的に僕らも肩ひじ張らずに気楽に色んな音をライブで楽しめるようになったところは大きいですし、昔とは変わったよなぁと思います。
そんな中で、世代を超えて色んなタイプのデスメタルバンドと対バンさせてもらう機会も時々ありますが、どちらかというとおっさん系でジャンルの違うバンドと対バンする機会が多いので、若いデスメタルバンドの人たちとももっと一緒にライブできるとますますいいですね。

最近の日本のバンドで気に入っている/好きなバンドはどういったバンドですか?
NECROPHILE

T :あ、これは本当に多すぎて、名前を挙げるとかえっておかしくなっちゃいますよ(笑)。
ごく最近にアルバムをリリースしたバンドだけで言っても、BUTCHER ABC、EXCRETEASS、ANATOMIAなんかはそれぞれの音楽観が明確でヤバすぎですね。
他にもライブで観てカッコいいと思うバンドはウジャウジャいるので、最近増えてる来日バンドは、日本のアンダーグラウンドの層の厚さにびっくりしてるんじゃないかと思います。

今後の予定等教えて下さい

T :2018年もすでに結構ライブのお誘いは頂いてるので、ガンガンやっていきたいですね。
僕らも自分たちで企画もやっていきたいし、デスメタルに限らず色々なライブにも誘ってもらえると嬉しいです。
あとはSplit音源の話も頂いてるので、それに向けても準備したいと思います。
海外のフェスもいくつか誘ってもらいながら、メンバーの都合で出演できてないので、これもタイミングが合えば2019年以降でも是非出てみたいと思ってます。


LIVE SCHEDULE

2017年12月29日 両国SUNRIZE
CORBATA ・DEATHBLAST ・DISGUNDER ・END ALL ・FLOATERS ・GUEVNNA ・NECROPHILE ・REALIZED ・REDSHEER ・THE DONOR

2018年1月7日(日) 西横浜 El Puente
With DISASTER、TAINTED DICKMEN、SELF DECONSTRUCTION、VERITAS CONC. 75、FLOATERS

2018年2月12日(月) 西荻窪 Pit Bar
With CORBATA、NECRO-E、APOLOGIST、TRIKORONA、sine