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対談・インタビュー

「僕達のメタルはどこへ行こうとしているのか?」後編

前号に引き続き、エクストリーム・ザ・道場、館長南部氏、ライター行川さん、ライター石井さん、BURRN編集部山口さん、と私ジャンボが召集され、行われた対談の後編です。
この壮大になるテーマを元に、今後のメタル・シーンはどうなるのか? 今後のEXTREME THE DOJOはどのような方向へ進むべきなのか?など実に中身の濃い対談と相成りました(??)。
この対談が今後のメタルの行く末を変えてしまうような、そんなとんでもないことは起きないでしょうけど、これからのシーンの同行を見ていくうえでは、なかなか興味深い対談になったのではないでしょうか?では、どうぞ~

BLOOD SIMPLE???

前号の最後では、THE DILLINGER ECAPE PLANを例に挙げて、一般層へのアピールの難しさや、KILLSWITCH ENGAGEがTHE USEDとツアーしたり、THE DILLINGER ESCAPE PLANがMEGADETHとツアーする事で、これまでとは違うファンへのアピールをしている話の流れで....

南部そういうの(他のジャンルのファンにアピールをする事)をしない人達もいるよね?例えばNEUROSISとか....

行川イヤ、NEUROSISはしてたんじゃないかな?PANTERAとツアーしたり。

ジャンボOZZ FESTにも出てましたもんね。
確かにPANTERAとツアーするって聞いた時は驚いたの覚えてます。

南部あ~そっか(笑)

行川インタビューとかで「音楽だけでは喰えないから…」ってブーたれてたから、その気はあったんじゃないかな?

ジャンボ喰える土壌があることにこした事はないってことですよね。
まぁ、それはある意味どのミュージシャンもそう考えるだろうけど。

行川ある種の上昇志向と言うか、無理して嫌な奴等とツアー廻ったりしてでも上に上がりたいと感覚と言うか...。
だけど、今のNEUROSISは音楽も色々な面に対してのあきらめがあるような、元気のなさに現れているような。

ジャンボ(笑)確かにそれありますね。

行川元々元気のある音楽じゃないけど(笑)。

山口貪欲じゃなくなってる?

行川「TIMES OF GRACE」の時はまだあったような気がするなぁ~。

石井あの始まりも終わりもない感じですね(笑)。

行川個人的にはNEUROSISもやばいところに入って行きそうなバンドの一つですね。
しかもライヴ自体ほとんどやってないじゃですか。

ジャンボツアーらしい、ツアーはもうやんないみたいですね。
前のアルバム「A SUN THAT NEVER SETS」出した後は、次の「EYE OF THE EVERY STORM」出すまでに3回しかライヴやってなかったですね。
「EYE OF THE EVERY STORM」出した後は、4~5回やっていたと思うけど、まぁ、3回も4回もたいしてかわんないんですけど。

行川それ以前の問題かもしれないね、欲がないって言うか....。
…………と、ここからややまとまりなくなりNEUROSIS話から、他のバンドへ話も移行し、いつのまにやらV.O.Dの話が出た時に…………

石井ところで、BLOODSIMPLE聴きましたか?

行川???

石井V.O.Dのティムのニュー・バンド。今ありますよ、聴きますか?
…………と、ここで行川さん、南部さんは石井さんのI podでBLOODSIMPLEの視聴開始って、オイオイ対談中だっての!俺も視聴に参加した1人なんですけど....。
ちなみに、このBLOODSIMPLEのアルバムは本号のレビューに掲載されてます…………

山口BLOODSIMPLEってグルーヴ系なんですか?

石井モダン・ヘヴィネスって言うか...。
ティムのヴォーカルが好きなんで、何やってても私はOKではあるんですけど。
だけど、ラウド・ミュージックの進化系としてはどうなんだろう?

行川(聞き終わり)う~ん。難しいね。
今のメタル/コアとか色々と呼ばれているとかに比べると古く感じるね。

南部そうやね。古く感じる部分あるね。

行川時代を感じさせるちゅうかね(笑)。

石井ティムの声が好きか、どうかだけかもしれないですね、買うポイントとしては。

メタル・ヴォーカル!!?

南部ところで、今度THE USED、KILLSWITCH ENGAGE、FUNERAL FOR A DRIEND、STORY OF THE YEAR、RISE AGAINSTってメンツで「TASTE OF CHAOS」というイベントをやるんですけど、例えばKILLSWITCH ENGAGEは日本ではFUNERAL FOR A FRIEDほど売れてないんですよ。
そこに何の差があるのか?と考えたりするんですよ。

石井そのへんと、エクストリーム系って住み分けが結構ハッキリしてると思うんですけど...。

行川FUNERAL~ってどんなんの?聴いた事なんだけど....。

石井あ~、行川さんは大嫌いだと思いますよ。
スクリーム? なんだろうなぁ...とりあえず、ハードコア出身ではないんだろうなぁって感じありますね。

行川スクリーム自体きついしなぁ~。
THE USEDは昔何回かレビューした覚えがあるけど...。

ジャンボ実は俺もTHE USEDすら聴いたことないです。

石井でも、ホントにクソですよ(笑)。

山口確かにTHE USEDはレコード聴いた時いいと思ったんですけど、ライヴを見て…

石井酷かったですよね。

山口なんだ、こりゃ?って感じでしたね。

ジャンボでも、あれ(FUNERAL~)をメタルって言う人もいるでしょ?メイデンの前座とかしてるんですよね? 

山口本人達はたぶんメイデンみたないなの意識してるんじゃないですかね。
ギャロップ・ビートとか。メデンのファンを取り込もうとしてるんだろうなぁって感じしますね。

南部で、メインのヴォーカルが叫んで、ドラムが歌うと..。

行川なんか、ドラムが歌うパターン多いですねぇ。

山口ATREYUもそうでしたね。

石井ちょっとしたブームなんですかね(笑)?

南部FROM AUTUMN TO ASHESもそうやったね。

ジャンボ例えばそのTHE USEDとかFUNERAL FOR A FRIENDのファンの子達はKILLSWICTとかLAMB OF GODを聴いているんですかね?

石井イヤ、たぶん、AT THE DRIVE INあたりが限界なんじゃないですか?

一同あぁ~!!

石井だけど、GLASSJOE聴くと「うるさい」みたいな。
そのぐらいのゆる~いところじゃないですか、スクリームは....恐らくですけどね(笑)。

ジャンボだからこそ、KILLWITCHにはこのイベントに出る意味がるんでしょうね。

石井そこを取り込んでいくのは、全然いけそうですよね。

ジャンボちなみに、THE USEDやFUNERAL FOR A FIRENDってKILLSWITCHとかSHADOWS FALLに比べると一般的って言えるサウンドになるんですかね?

石井そうですね、聴きやすいし。

ジャンボその聴きやすいのポイントって歌にあるんですか?

山口僕とかはCDを最初に聴くと、ギターの音が耳に入ってくるんですよ。
だけど、普通はやっぱりヴォーカルが一番耳に入ってくるし、印象に残ると思うんですよね。

石井うん、私も歌から入っていく感じですね。
多分、この中で一番ポップなもの聴いてるのは私だと思うので....。

山口そこでスクリーモでもOKな人と、声が荒々しいだけで駄目な人にハッキリ分かれてしまうと思うんですよね。
拒絶されてしまうと言うか。KILLSWITCHもやっぱり一般層からすると、あれはヴォーカルがちょっとと見られているのかもしれない。

南部そのへんファンは正直と言うかね。
あれが売れへんかったやん、SHADOWS FALLの時のDOJOのチケットが。

ジャンボその前にやったCONVERGEの時のDOJOに比べるとそうですね。
東京はSHADOWS FALLの直後にHATEBREEDの単独公演があったのも影響してると思うけど。

行川SHADOWS FALLはやや中途半端なポジションかもしれないね。
HATEBREEDは真ん中で、やっぱり分かり易い。

南部HATEBREEDの客は、また違うんですよね。ハードコアの客がじゃないような...。

石井そういう気はしてますね。

行川ハードコア・メタルと言うか...。

ジャンボでも、そう考えるとハードコア・ファンと言うのは、何を見に行ってるのかな?
SHADOWS FALLにしろHATEBREEDにしろ、ニュースクール・ハードコアってところから出てきてるわけだから、あれを見に来てる子達をハードコア・ファンじゃないと定義してしまうと、ハードコアらしいハードコアってなくなってるんじゃないですか? もしかしたらそれってTERRORとかみたいなオールド・スクール系になるのかな?

行川まず、何をハードコアと言うかが微妙ではあるんだけど....

ジャンボそのですね。何をハードコアと言うかで色々見方も変わってくると思うし。
ハードコアって言葉だけは残るだろうし、消える事はないんでしょうけど、昔ながらのハードコアらしいハードコアって言うのがなくなってきてるのかもしれないですね、ここ数年のメタルとハードコアの接近で。

石井ハードコア・バンドでもテクのないバンドっていないですもんね。

ジャンボ今の話をしてると、ここ最近メタルって言葉が昔に比べて盛り返してきた分だけ、ハードコアって言葉自体がスミに追いやられているのかもしれないですね。
明確でなくなってきたと言うか。

石井一時なんでもかんでもハードコアって言い過ぎたのかもしれないですね。

ジャンボそれは言えてますね。昔EATの編集やってた時は、ちょうどパンク・ブームでしたからね。
その時はハードコアって言葉は凄く使いやすかったし、そう言われて今反省する部分もありますね。
とりあえず、ちらっとでもそんな感じであれば、その言葉使っておけば大丈夫みたいな感覚あったですよね。
そのかわりにメタルって言葉、あの時は使えなかった。例えばSHADOWS FALLなんてのはニュースクール・ハードコアの畑から出てきたバンドだけど、最初に聴いた時に俺は「単純にスラッシュ・メタルだろ?」って思いましたよ。
だけどあの時点でSHADOWS FALLをスラッシュ・メタル・バンドという紹介の仕方は出来なかったですよね。
それだけで拒絶するハードコア・ファンの方があの時は多かっただろうし。
だけど今となってはメタル・バンドと紹介する方が紹介しやすくもなってるんだすよね。だけど、今ハードコアと紹介してしまうと、それだけで拒絶するメタル・ファンがいるのもまた事実なんですよね。
だからSHADOWS FALLやHATEBREEDなんかを文字でジャンル名にする時は俺は「メタル/ハードコア」って書き方になるんですけどね。
でも俺の中でSHADOWS FALLを認めないメタル・ファンって物凄く不思議なんですけどね。

行川ほらっ、歌がヘタだから....

一同(笑)、なるほど!

DOJOのコンセプトとは?

石井今更な質問で申し訳ないんですけど、DOJOのコンセプトって異文化交流と言うか、ジャンル的にあえて違う感じのを集めるみたいなのはあるんですか?

ジャンボそれは、あると思いますよ。
TOY'S FACTORYの宮本さんも言ってましたけど、極端な話2通りになるんですよね。
ジャンル的にバラバラに3バンド集めるのか、ジャンルの同じものを集めてそのシーンごと見せるか。
今の時点では、まだジャンルで固めた方がお客さんは会場に来やすいのかなぁと思ってますね。

行川1回目なんかはメンツ的にバラバラだったけど、お客さん入ったよね。
あの3バンド(CRYPTOPSY、CANDIRIA、NASUM)だからっていうのもあったし、1回目だからっていうのもあったのかな?

ジャンボ今思うと、あれはCRYPTOPSY人気っていうのは大きかったのもあると思いますね。
SODOMの時もそれに近い感じでしたね。ホントの事言うと、最初にSODOMの名前が出た時、俺は結構拒絶反応あったんですよ。
だけど、今思えば、DYING FETUSとDIMENSION ZEROをSODOMのファンに見せられたっていうのは意味のあったことだったと思いますね。

南部そのへんの(SODOMの)お客さんを、それよりも新しいものに結びつけたいなって言うのもコンセプトも一つでもある。

ジャンボあとは、単純に日本にはフェスティバル以外で、こういう機会がないじゃないですか。
いくつかのバンドが一緒に廻るって事が、地理的問題や経済的問題考えれば、一概には言えないんだけど、単純にそういう機会を作りたいと言うのはありましたね。

南部新しいシーンを作りたい。新しいマーケットを確立したいって言うのはあるんだけども...

行川出来てるんじゃない?確実にブランドと言うか...

石井DOJOのファンっていうのもいますもんね。

ジャンボやってる本人達からすると達成感はないし、まだまだに感じていますけど。

南部ちょっと今過渡期って言うのはあるんかなぁ...。

山口でも、複数のバンドが出るイベントっていう形が...
特にメタル界隈で言うとイベントなんて言うのはなかったから...。

行川確かにそうだよね、対バン形式だね。

山口えぇ、せいぜい日本のバンドがオープニングに付くぐらいでイベントなんていうのはメタルに関しては、ほどなかったですね。

行川まぁ、前座かメインの二つしかない感じのね。昔ながらのロック・ミュージックの伝統と言うかね...

山口舶来と言うか(笑)外タレと言うか(笑)。
イベントという形自体がメタル・ファンには新鮮だったと思うし、それが定着してきてると言うか、そういった形態のライヴもあるって事を、これ(DOJO)が教えてくれたとも言えると思うんですよね。



と、まぁ、前号で「次回は核心へ迫る」とはえらそうに宣言してましたが、結果このように話がややまとまりのないものとなってしまいました。イヤ、失礼しました。 本当のこと言えばこれの前後編合わせた3倍以上の量の話しになっていて途中からは、もはや対談である事も忘れ気味に世間話になってしまった感もありますが、各氏がメタルに対してどういった考えを持っているのか理解していただけたのではないかと思われます。

text by Jumbo