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対談・インタビュー

「僕達のメタルはどこへ行こうとしているのか?」前編

テーマが壮大ではあるのですが、EXTREME THE DOJO Magazine創刊号ではこの壮大なテーマを元に、エクストリーム・ザ・道場、館長南部氏(主催者って意味ね)の号令のもと、ライター行川さん、石井さん、BURRN編集部山口さん、と私ジャンボが召集され、対談と相成りました。
今やアメリカでは巨大ムーブメントとなりつつあり、もはや「メタル」は一昔前のださい、カッコ悪いものではなくなった。しかし、ここ日本ではその状況に近づきつつあるとは言え、同じとは言えない。では、今後「メタル」はどういう方向へ向かって行くのか、どうなっていくのか、どうすればアメリカと同じような状況になるか、等をテーマにいつもDOJOを観戦していただいている方々を交えての対談となりました......が、正直申しますとテーマが壮大すぎたのでしょうか、それともテーマを絞り込めていなかったのでしょうか、対談と言うよりも雑談になってしまいました。しかも、結構長々とみんな話していただいたもんで、今回だけではまとまり切らず、残りは次号への持ち越しとなりました。すいません、なんせ普段はインタビューする方ではあっても、される立場になる事はほどんど全員ないだけに、とりとめもない話がダラダラと...。失礼.....。

南部: まずは、メタルの行方ですね、今後の...。

山口: 話でかいですね、いきなり(笑)。

南部: いきなり大きすぎますか(笑)、話の結論のとしてどうなっていくのかみたいなところに持って行きたいんですけどね....。

行川: この前DIOを見て感心しましたけどね。いきなり話終わってしまうけど。

南部: でも感心するよね、IRON MAIDENとか、あんなライヴ見せられたら。ところでJUDAS PRIESTは行ったんですか?

山口: 行きましたけど、正直僕はだめでしたね。

石井: 友達が見に行って感動してましたよ。ヴォーカルがハァハァ良いながら最後まで演るって言うのが。

ジャンボ: それなんか評価するべきポイントが違うような(笑)...。

行川: それが許せるか、どうかですね。

ジャンボ: 確かにそうですね。ところでDIOは60過ぎてハァハァ言ってないんですか?

行川: 力の使い方が上手いのかもしれない。あと普段から鍛えてるのかなぁ、それと発声とかもちゃんとしてるのかもしれない。声はちゃんと出てましたね。

南部: この前の来日は見てへんけど、昔にRAINBOWで見たなぁ~30年ぐらい前に....。

ジャンボ: .......あぁ~それって大昔の話ですよね(笑)。札幌でお客さんが死んでしまった事件のあった時の...。いつの話ですか!(笑)。そっから今のメタルにどう話繋げていけばいいんですか?(笑)

南部: イヤ、長い事やってるなぁと思ってね(笑)。まぁそういった歴史もありつつ、それではいきなりえらい話がとびますが(笑)、みなさんにとってSLIPKNOTってどんな存在ですか?

ジャンボ: 話とびすぎてません(笑)?

南部: そうやけど、まぁあれだけサウンドがハードコアで、あれだけ売れていると。何故なのかと。

行川: ハードコアって言葉は使わないけど...。

ジャンボ: まぁメタルっすよね、完璧に。俺にしたらSLIPKNOTこそが90年代以降のメタルの姿だと思いますけど。

行川: エンターテインメント性も含めてそうかもしれないですね。バカバカしさも含めて。

石井: でも本人達からインタビューとかで出てる話は全然温故知新な発言多かったですよ。VENOMを聴いてくれとか、そういうのが。

南部: 俺にとってみたらKISS!

ジャンボ: エンターテインメント性としてもそこには確かに繋がりますね。


「HETEBREED、LAMB OF GOD、KILLSWITCH ENGAGEらと比べて日本ではCDの売上げは飛び抜けているSLIPKNOT。
サウンド面ではそれらのバンドと遜色ないほどヘヴィなのに、何故にSLIPKNOTだけがそこまで売れるのか?」

SLIPKNOTE
「HETEBREED、LAMB OF GOD、KILLSWITCH ENGAGEらと比べて日本ではCDの売上げは飛び抜けているSLIPKNOT。サウンド面ではそれらのバンドと遜色ないほどヘヴィなのに、何故にSLIPKNOTだけがそこまで売れるのか?」

南部: 「僕らのヤング・ムージック」って番組があってNHKの...。

ジャンボ: 知らないよ、そんなの!いつの話??

行川: あっ、僕もそれは知ってます(笑)。

南部: 当時その番組でKISSのライヴを見てね...。当時の日本のライヴの映像を。

ジャンボ: 当時国営放送であるNHKでKISSのライヴやってたんですか?

行川: 当時はNHKは結構色々やってて、CRASHとかも見れたし。

ジャンボ: でも、今SKLIPKNOTがNHKで流れる事ってあるんですか?

山口: ないでしょうね、見たことないし。

行川: SLIPKNOTはメタル的なダーティーさちゅうか、ワルと言うか、EVILな感じがありますよね。

山口: まさしく、僕はそう見てますね。

行川: そこにプラス現代的な音。

石井: でもあれから始まっちゃうとメタルだ、ハードコアだって感じはないですよね。

南部: うん、あれだけ見たらそういう枠組みはないよね。

山口: でも、あぁいうマスクを被ったりするのはKISSに通じますよね、見た目の面白さで入ってくる意味では。

石井: でも「戦略でしょ?」って言われたら...ねぇ(笑)。

ジャンボ: 個人的にはそのSLIPKNOTの成功例をそのままマネするバンドの方が問題だと思うんですけど。まぁ問題視するほどSLIPKNOTそのままみたいなバンドは出てきてないですけどね。

行川: 出来ないって言うのがあるでしょ。やるとしたら完璧なコピーバンドにしないと。

ジャンボ: MASHROOM HEADってそんな感じでしたよね?もう消えたのかな?

行川: 音楽もやっぱり簡単にマネ出来るもんじゃないだろうし。

石井: バカテクですからね。

山口: 質もSLIPKNOTのレベルへ到達するのも難しいんでしょうね。

石井: ヘヴィ・ロックのブーム自体が終わってしまった感じがあるので...。

南部: ヘヴィ・ロックは終わったんですかね?

石井: 流行としてのって意味ではそうだと思いますね。

ジャンボ: 南部さんが言うヘヴィ・ロックって、え~と、あ~と名前が全然出て来ないなぁ、あの~DROWNING POOLとかGODSMACKとか、そういう歌モノっぽい感じのやつですよね?

石井: ニュー・メタル(NU METAL)って言われるやつですよね?

南部: そうですね、それに近いですね。あれは何で日本では受けなかったんですかね?

山口: ラジオを聴くって習慣がないっていうのもあるんじゃないですかね。曲を聴くって言うと番組をチェックするって人が多いんじゃないんですかね。アメリカはラジオのスイッチが入れっぱなしみたいな感覚強いですよ、車社会だから、特に車に乗る時に。

南部: そのあたり音楽は日本とアメリカでは温度差が激しいでしょ。

山口: 例えばOZZ FESTなんかでも、そういったバンドはシングルでリリースしてる曲は凄く盛り上がるけど、それ以外の曲では盛り上がらないんですよね。そのへんはある意味歌謡曲に近い感覚なのかもしれないですね。

行川: ヒットした曲はずっとね、人気のある曲として残っていく感じですよね。昔で言えばJOURNEYみたいな感じの。

山口: そうそうそう、そういう感じですね。

南部: 産業ロックってやつですね。

山口: まさにそうだと思います。現代版産業ロック的な。

ジャンボ: アメリカでのそのあたりのバンドの人気が落ち着いてきて、それに変わるようにKILSWITCH ENGAGEとかLAMB OF GODが人気が出てきたって言うのは、EXTREME THE DOJOをやってる人間からするといい流れになってきれると思えるんですよね。前に比べたら確実にヘヴィなバンドが売れるようになって来ているし。でも俺個人的に疑問と言うか、不安なのはそういったヘヴィなバンド達が、去年、今年と大挙してOZZ FESTに出てそれも人気が上がった大きな要因だと思うんですけど、OZZ FESTがそのあたりのバンド達を出さなくあってしまった時に一体どうなってしまうの?って思いますね。OZZ FESTがそのあたりのバンド達に注目しなくなって行くのと同時に、もの凄い勢いでそこから勝ち残り競争が始まると思うんですよ。日本でその下降線に入る前までにしっかりとしたヘヴィな音楽を支える土壌が作れるのかってポイントだと思いますね。

南部: 自然と淘汰されていくとは思うけどね。SLIPLKNOTがあれだけ売れたって言うのはバンドとしての質の高さがあってこそやと思うし、その質を持ちあわせていないバンドはいずれにしても消えて行くと思うし。OZZ FEST自体が確かに宣伝の場として大きな意味を持ってはいるけど、結局そこに出て自分たちを、そこから上に上げていくかは本人達の資質の問題であると思う。それよりも問題は例えばKILLSWITCH ENGAGEなんかは日本では数字だけで見たら、それほど大きなものにはなってない...

行川: それはCDのセールスって意味で?

南部: そうですね。動員的にはCDのセールスに見合った動員があると思うけど、この先生き残って行こうと思ったらもっとね、売れないと。メタル・コアの行着くところはみたいなね。

山口: KILLSWITCHは行くと思いますけど。

行川: この先音楽性は変わるかもしれない。もしかしたらメタルと言うよりポップな方向へ行くかもしれないし。

ジャンボ: そうやって考えると多少なりともポップだとか、一般的と言われる方向へ寄らないと生き残っていけないって事なんですかね?

行川: いずれにしろ、そういう事だね。多少なりともそっちへ行かないと。

南部: EXTREME THE DOJOとかそういうイベントはそういう役割もあって、そこを卒業していく感じのバンドもあると思うし。


「同系統のエクストリームでカオティックなバンドと比べて、その人気は頭一つ抜け出た感のあるDILLINGER ESCAPE PLAN。今以上の成功の鍵はやはり一般層へのアピールなのだろうか?」

THE DILLINGER ESCAPE PLAN
「同系統のエクストリームでカオティックなバンドと比べて、その人気は頭一つ抜け出た感のあるDILLINGER ESCAPE PLAN。今以上の成功の鍵はやはり一般層へのアピールなのだろうか?」

石井: DILLINGER ESCAPE PLANなんてどうなんですか?突破口を明けかけて...どうなんだろうみたいな。

ジャンボ: ぶっちゃけて言って、この前の来日は動員的には失敗だったですね。本音言えばもっとお客さんが集まると思い込んでましたね。

南部: そうだね。

石井: INDEPENDENCE-Dにも出たからそっちにお客さん取られて、単独公演はイマイチお客さんが集まらなかったっていうのもあったと思いますけど。イベントの方がチケット代も安いですからね。DILLINGER以外は一切興味ないって人以外はイベントの方がお得ですもんね。

行川: そうだね、正直クアトロの動員はちょっと驚いた。もっとお客さんいると思い込んで会場行ったから。

南部: だから、ようするにキッズがまだついてこれてないって事でしょ。高いお金を払ってもDILLINGERだけを見たいっていう人が少なかったって事だから。

行川: もともと2時間も3時間も演るバンドでない事も分かっているし、それほど演奏時間が変わらないんであればイベントの方に行ってしまうのも無理はないと思いますね。CADIRIAを見たいって人以外はね。

山口: この前のアルバム(MISS MACHINE)は完全に前に比べたら静かな部分が増えていたんで、それで単純にうるさいのが好きな人は離れてしまったかもしれないですね。全部うるさくなと駄目って人もあるだろうし。

石井: でもINDEPENDENCE-Dで見る限り客の「待ってました」って感じあったし、人気が落ちてる印象はなかったですけどね。

山口: アメリカほどじゃなかったってことですかね。一般層へのアピールという点では、アメリカに比べて日本は広いすそのまで拡がってないって事ですかね。

ジャンボ: DILLINGERって、始めた見たり聴いたりした時のインパクトって凄いバンドだと思うんですよ。「なんじゃ、これ?」みたいな驚き。だけど、それは何度も体験してるうちにその驚きは当たり前になりますよね。本人達もそれが分かっていて、新作のようなアプローチに繋がっていると思うんですよ。だけどさっき行川さんの言った一般的と言われるところの人達まで取り込む方法論としては、そうはなってなかったと言えるんでしょうね。普段うるさい音楽を聴いてないような人達を自分達の方に向かせるだけのものにはなっていなかったのかもしれないですね。そう考えるとそういった人達を振り向かせることの難しさが、このDILLINGERのケースに現れている気もしますね。

南部: 試みはしたんだよね、あのアルバム(MISS MACHINE)では。

行川: そうだろうね。全然違う事やりたいって言う気持ちもあっただろうし。結構それがあからさまな曲もあったけど、結果両方とも取りこめなかったかなって思うけど。

南部: (笑)それ言えてるよね。

山口: 今までのファンからするとそういったものは必要としていなく、かと言って今までバンドを知らなかった人達を取り込むには....

ジャンボ: 中途半端だったんですかね....

行川: それが、個人的なあのアルバム(MISS MACHINE)の見方ですね。で、あれは失敗作と。一般の人達を取り込むほど、そういう人達にとって魅力的な楽曲じゃないって事だったんでしょうね。

石井: 夏にMEGADETHの前座かなんかでアメリカ廻るんですよね。そこからまたちょっとでも拡がっていけばいいかなぁと思いますけど。

ジャンボ: DILLINGERとかKILLSWITCHって、うるさい音楽だけ好きって人達をこれ以上増やしていくのは難しいと本人達も考えているんじゃないですかね? だからDILLINGERがMEGADETHとツアー行ったり、KILLSWITCHはTATSTE OF CHAOSでUSEDとかとツアーしたりすんじゃないですかね?5年前だったら、もしかしたらDILLINGERはMEGADETHとのツアーなんて断っていたんじゃないかと思いますよ。だけど今OKするって事は今までの自分達の居場所以外からファンを増やしていかないといけない危機感みたいなのもあるんじゃないですかね。

石井: みんなもっとドンドンそういうふうに行けばいいと思うんですけどね。結局なんか足の引っ張り合いとか、文句の言い合いっていうのがあるって言う...。

ジャンボ: 今出てきた若いバンド達が自分達に近い音のバンドで集まってツアーしたりするのは自然だと思うし、そういった塊がないとシーン自体も盛り上がりづらいのもありますね。だけど、そこから違うシーンへ飛び出していくことの出来ないバンドは淘汰されてしまうのかもしれないですね、もしかすると。


text by Jumbo