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Hall of Fame

第十回殿堂入りアルバム

2015/07/26

DEMANUFACTURE / FEAR FACTORY

この時点でのサウンドはデスメタル・シーン出身らしくまだデスメタルの範疇で語れるもので間違いはなかった。
が、他のデスメタル・バンドとは明らかに違う方向性を見せており、すでにこの時点でかなり独創的なサウンドを構築していた印象が強かった。
このアルバムはリリース後「デスメタルの未来系」として世界的に話題となった。

DEMANUFACTURE / FEAR FACTORY

収録

1. Demanufacture
2. Self Bias Resistor
3. Zero Signal
4. Replica
5. New Breed
6. Dog Day Sunrise
7. Body Hammer
8. Flashpoint
9. H-K (Hunter-Killer)
10. Pisschrist
11. A Therapy For Pain

今年リリースから20年を迎えそれを記念した再現ライヴを行う予定で、10月にはそのツアーの一環で日本にもやって来る FEAR FACTORYの2ndアルバム「DEMANUFACTURE」。

FEAR FACTORYは元々はL.Aのデスメタル・シーンで活動を開始したバンドで、自分が初めてその名前を知ったのは1991年。
この年日本のデスメタル・バンド、NECROPHILEがアメリカでライヴを行うために渡米し、自分もそれに付いて行った時だった。
この時L.AではSADISTIC INTENTが主催したライヴにNECROPHILEは出演し、当時のSADISTIC INTENTのヴォーカリスト、エンリケの家に泊まらせてもらっていた。
1週間程滞在させてもらっていたこの間毎晩のようにエンリケ宅でホームパーティーが行われていて、その時にその場に来ていたのが恐らくヴォーカルのBurtonだった。 恐らくと言うのは正直あまり印象残っている人物ではなかったので…。
で、この時にデモテープとして彼からもらったのが後に「CONCRETE」としてCDでリリースされた彼らの最初のレコーディング作品だった。
これを当時聞いた感想としては「GODFLESHみたいだな…」という感想だったが、後にCD化されて聞き直した時には、あまりGODFLESHみたいな印象はなく、何故あの時そう思ったのかが今では自分でもよく分からないのだが、とにかくその時はNECROPHILEのメンバーも口をそろえて「GODFLESHみたいだね~」と言っていたのを覚えている。
今になって思い返してみれば、現在インダストリアル・メタルと言われるFEAR FACTORYだけに、その頃からすでにそのサウンドにはインダストリアルの要素が滲み出していたのだろう。

その時はFEAR FACTORYのライヴは見ていなかったし、あまり強く印象に残っているバンドではなかったが、その翌年の1992年、1stアルバム「SOUL OF A NEW MACHINE」にてROADRUNNERよりデビューを果たし、そのレコードを最初にレコード店で見つけた時には「あのFEAR FACTORY?」と正直驚いた。
というのも当時デスメタルの最初の大きな盛り上がりの時期で、当時のL.AにはFEAR FACTORYよりも人気のあるデスメタル・バンドは多くひしめき合っていたので、それらのバンドの方が先にレコードデビューしてもおかしくない印象が強かった。しかもリリースは名門ROADRUNNERというにも更に驚かされた。
もっと驚かされたのはその1stアルバム「SOUL OF A NEW MACHINE」の内容だった。この時点でのサウンドはデスメタル・シーン出身らしくまだデスメタルの範疇で語れるもので間違いはなかった。
が、他のデスメタル・バンドとは明らかに違う方向性を見せており、すでにこの時点でかなり独創的なサウンドを構築していた印象が強かった。 このアルバムはリリース後「デスメタルの未来系」として世界的に話題となった。

そして1stアルバムから3年、1995年にリリースされたのはこの2ndアルバム「DMENUFACTURE」。
同年にはDEATHの「SYMBOLIC」、AT THE GATESの「SLAUGHTER OF THE SOUL」、SUFFOCATIONの「PIERCED FROM WITHIN」等がリリースされ、まだまだデスメタル全盛の時代。
と同時にPANTERAのヒットやMACHINE HEADの登場等によりメタル・シーンにもグルーブの波が押し寄せていた時期。
そういった時期にリリースされた「DMENUFACTURE」、プロデュースは前作に引き続きColin Richardsonが担当。
このアルバムでの強烈なバズーカー砲のようなバスドラ音は彼が手掛けたMACHINE HEADの1stアルバム「BURN MY EYES」と共に後続のバンドにおおいに影響を与えたと言えるだろう。

このアルバムでFEAR FACTORYは現在でもインダストリアル・メタルと言われているようにインダストリアル系の要素を増幅させ、それをデスメタル・サウンドに見事に融合させ、その個性を確立させている。
1stアルバムに比べてデスメタル色は後退しているが、変わってインダストリアル・メタルとしての個性を確立し、言わばデスメタルからの脱却を強く印象づける作品となっている。
1stアルバムではほとんどなかったクリーン・ヴォイスも大幅に導入され、そういった部分からも強くデスメタルからの脱却を図っていたことを印象付けた。

このアルバムはそのFEAR FACTORYの個性を確立させたアルバムと言える。
また、それと同時にこの作品はFEAR FACTORYの大きな飛躍の第一歩となった作品と言えるだろう。
このアルバムで人気を確立したFEAR FACTORYはメタル・シーンの重要バンドの地位を固めたと言える。
リリースから20年を迎える現在を見渡しても、これほど個性的なアルバムは稀だと思うし、こういった存在がデスメタル・シーンから登場した事が今でも驚きだ。
このアルバムは今聞いても、現在のシーンのバンド達と比べてみても異彩を放つ存在であり続けている。

本作のオリジナル・リリース時のリリース後のツアーでは来日はしておらず、彼らが初来日を果たしたのは次のアルバム「OBSOLETE」リリース後だった。
故に今回の「DEMAFUFACTURE」再現ライヴとなる今回のツアーは日本のファンにとっては待ちに待ったツアーと言えるだろう。
この超名盤の名曲の数々をいよいよ眼前で目撃するチャンス、見逃すのはあまりにももったいない。

このアルバムは後に全曲リミックスが施され「REMANUFACTURE」というタイトルでもリリースされている。


text by Jumbo