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Hall of Fame

第六回殿堂入りアルバム

2011/03/01

ALTARS OF MADNESS / MORBID ANGEL

リリースされた1stアルバムに付けられたステッカーには堂々と「FINALLY! THE ULTIMATE DEATH-METAL RELEASE」と書いてある。1stアルバムにしていきなり「究極のデスメタル、遂に登場」と記されているのである。と言うのも、この時点では一般的にはまったく浸透していなかったデスメタルというジャンル名はアンダーグラウンドのマニアにとっては当たり前のように浸透していた言葉なのである。

ALTARS OF MADNESS / MORBID ANGEL

収録

1. Immortal Rites
2. Suffocation
3. Visions From The Dark Side
4. Maze Of Torment
5. Lord Of All Fevers And Plague
6. Chapel Of Ghouls
7. Bleed For The Devil
8. Damnation
9. Blasphemy
10. Evil Spells

※現在このアルバムは輸入盤ではDVD付きの限定ヴァージョンもリリースされており、デュアルディスクのDVDには1989年当時の貴重なライブ映像が収録されている。

デスメタルの帝王!
この表現が今一番しっくりくる存在と言えば、このMORBID ANGELかCANNIBAL CORPSEで決まりじゃないですか?
特にこのMORBID ANGELの1stアルバム「ALTARS OF MADNESS」は現在まで続くデスメタルの歴史の最初の1ページ目と考えて間違いではないと思います。このアルバムのリリース以前にリリースされていたデスメタルと言えばDEATH。あとは完全にデスメタルとは言えないけど、POSSESSEDとかNECROPHAGIAぐらいのもので、このデスメタルというジャンル名も現在のように当たり前のようには使われていなかった。

BRUTAL TRUTH
が、しかしリリースされた1stアルバムに付けられたステッカーには堂々と「FINALLY! THE ULTIMATE DEATH-METAL RELEASE」と書いてある。1stアルバムにしていきなり「究極のデスメタル、遂に登場」と記されているのである。と言うのも、この時点では一般的にはまったく浸透していなかったデスメタルというジャンル名はアンダーグラウンドのマニアにとっては当たり前のように浸透していた言葉なのである。
当時このアンダーグラウンド・シーンを支えたと言われるのはテープトレイダーというマニアの存在である。
彼等は世界中のマニア達とコンタクト取り合い、お互いが持っているデモテープやライヴテープ等をダビングして交換し、デビュー前のバンド達をいち早く見つけ出していたのである。この文化はこのデスメタル以前から存在し、あのMETALLICAもこのテープトレイダー達によって世界中のマニアに名前が浸透し、そこから噂が広がりレコード契約を勝ち取ったとも言われている。

このMORBID ANGELは「ALTARS OF MADNESS」以前にはお蔵入りとなったアルバム(後に「ABOMINATION OF DESOLATION」というタイトルで正式にリリースされた)が存在していた事もあり、これらのテープトレイダー達にとってはデビューを待ちこがれられた存在であった。故にデビューアルバムにしていきなり「究極のデスメタル、遂に登場」と銘打たれた訳である。
このアルバムの登場は一気にこのデスメタルというジャンル名を急速に世界中に浸透させ、このアルバムをリリースしたEARACHEはその後ご存知のようにデスメタルの総本山的な存在となっていくのである。
それまでは、メタルの中でも最も速く攻撃的と思われていたはスラッシュメタルであったが、この時期80年代を駆け抜けたスラッシュメタル・バンド達は一部を除き見事に失速し一時の勢いを失いそれに伴い音楽的にも普通のヘヴィメタル化が進んでいた時期である。その流れに逆らうように登場したデスメタルは過去最高のヘヴィネスとブルタリティー、更にグラインドコアからの影響も強い究極スピードを融合させ、スラッシュメタルのヘヴィメタル化に拒絶反応を起こした人達には好意的に受け入れられたのは自然な流れだったと言えるだろう。
逆にスラッシュメタルの中でもEXODUSやTESTAMENT等のベイエリア・スラッシュは好きだけど、KREATORやSODOM等のヨーロッパのスラッシュメタルは好きではない。というタイプの人達はこのデスメタル・ムーブメントを受け入れられなかった傾向が強い。今となっては洗練されたベイエリア系よりも無骨でヘヴィなヨーロッパ系のスラッシュが受け入れられない人達が更にヘヴィでブルータルなデスメタルまでは入っていけなかった事も自然な流れだと言えるだろう。

とにかく騒々しいと思われているデスメタルであるが、少なくともこの「ALTARS OF MADNESS」は単に早くてうるさいだけのアルバムではない。曲の攻勢はしっかり練り上げられおり、その姿はヘヴィメタル~スラッシュメタルの系譜に乗っ取ったものであると言えるだろう。
この1枚で一気にシーンのトップに駆け上がったMORBID ANGELであったが、アメリカではメジャーレーベルからリリースされた4枚目のアルバム「DAMNATION」を最後にデスメタル・シーンの中でも最もブルータルな野獣ヴォーカルと言われたDavid Vincentが脱退する。その後Steve Tuckerが加入し1998年に初来日。更にその後Steve TuckerからJared Andersonに交代し、2001年にはBEAST FEASTへの参加で2度目の来日を果たした。
その後Steve Tuckerの復帰もあったが、最終的にSteve Tuckerは2004年に再度脱退し、2008年にはバンドの顔でもあったDavid Vincentが復帰を果たした。更にセカンドギタリストとして元ZYKLONのDestructorがセカンドギタリストとして加入している。 そして今回の10年振りとなる来日では未だにMORBID ANGELのメンバーとしての来日経験のないDavid Vinventが遂にMORBID ANGELのメンバーとして初めて日本の土を踏むこととなったのである。
とにかく、このアルバムはデス・メタルを代表するマスターピースの1つである。その意見に異論を唱える一は少ないだろうし、正直これを読んでいて、このアルバムは未体験という方は少ないと思うが、もしもまだ聴いた事がないなら来日前には必ずご一聴を強くお薦めします!

MORBID ANGELは1stアルバムのタイトルの頭の一文字がアルファベットのAで始まり、それ以降2ndアルバム/Blessed Are The Sick 、3rdアルバム/Covenant 、4thアルバム/Domination 、5thアルバム/Entangled In Chaos、6thアルバム/Formulas Fatal To The Flesh 、7thアルバム/Gateways To Annihilation 、8thアルバム/Heretic、とA、B、C順が続いており、来日前には「I」から始まるであろうタイトルのニューアルバムをリリース予定だ。


text by Jumbo