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SPEAK OFF THE CUFF !

コラム

馬の耳に念仏

第4回 PUNK BRITANNIA PART1

『Punk Britannia』を見たり聴いたりして、いろいろ思い出して来た。
世間一般やレコード店でパンクの区分は、初期パンク、ポスト・パンク、ハードコア・パンクという具合で定着している。まあ、この区分は分かりやすいので重宝しているが、イギリスのパンクは、”初期パンク”じゃないんだよね。
パンク第一期、第二期、第三期までが、初期パンクとして括られているだけなんだよ。Original Punk はFirst Wave、Second Wave、Third Waveと言う区分がある。
いきなりこんなことを言っても、何が何だか、さっぱり分からないと思うので、今回は、時期と代表的なバンドを紹介して行きましょう。
God Save The Queenのバッジ

God Save The Queenのバッジ

1977年、パンクといえばこの格好

1977年、パンクといえばこの格好

The Bromley Contingent

The Bromley Contingent

(この人達が、オリジナル・ロンドンパンクの取り巻き)

このページを読む人は、どちらかというとメタル・ミュージックが好きな人が多いと思う。
今回から少しの間、イギリスのパンクロックに焦点を当てたいので、”まあこんなもんか”とか、“そうだったのか”と思ってつき合って頂けると嬉しい。

2012年6月、エリザベス女王陛下の即位60周年を記念した祝賀行事「ダイヤモンド・ジュビリー」が間催された。ニュース映像で”テムズ川下りを1,000艘を超える船やボート、カヌーで行った”模様を見た人も多いと思う。
イギリスで、王室の祝賀行事”ジュビリー”が行われると、一緒に話題になるのが”パンク”。なんとなく、セットで盛り上がるような気がする。1977年の女王即位25周年”シルバー・ジュビリー”をおちょくったSex Pistolsの「God Save The Queen」のリリースから数えて、”パンク35周年”ということになるみたいだ。
そのような状況なので、2012年6月はイギリスの公共放送BBCがテレビFOURとラジオ6で『Punk Britannia』を展開した。イギリスのパンクを、いろいろな人の話や映像で、理解出来るように約一月の間、番組構成した。
ラジオ6は、パンクに関るドキュメンタリー番組を、出し惜しみせずに、毎日放送した。ミュージシャンはもちろん、裏方の人にもスポットライトを当て、多角的にパンクロックを検証していた。ロンドンだけではなく、マンチェスター、リバプール、アイルランドのドキュメンタリーもやっていた。また、初期パンクロックを3時間ノンストップでかけまくるなんて云う日本では全く考えられない番組もあった。映画「Punk Rock Movie」でおなじみのDon Lettsは、伝説のRoxy Club DJの本領発揮、”Punky Reggae Party”を2時間かました。誰でも知っているようなパンクの名曲ばかりだけど、順番がなにしろイカしていて、”安全ピンを口にくわえて、ポゴしなけりゃ”って思うぐらい凄まじかった。まさに、1977年のロンドンにタイムスリップした気分。
テレビのFOURで放送した、映像も秀逸で、プレ・パンク期(1972-1976)→パンク期(1976-1978)→ポスト・パンク期(1978-1981)という区分で、パンクのスタートから衰退まで解りやすいものになっていた。

この『Punk Britannia』を見たり聴いたりして、いろいろ思い出して来た。
世間一般やレコード店でパンクの区分は、初期パンク、ポスト・パンク、ハードコア・パンクという具合で定着している。まあ、この区分は分かりやすいので重宝しているが、イギリスのパンクは、”初期パンク”じゃないんだよね。

パンク第一期、第二期、第三期までが、初期パンクとして括られているだけなんだよ。Original Punk はFirst Wave、Second Wave、Third Waveと言う区分がある。
いきなりこんなことを言っても、何が何だか、さっぱり分からないと思うので、今回は、時期と代表的なバンドを紹介して行きましょう。

パンク第一期(First Wave)は、1976年夏までにスタートしたパンクバンド。1976年9月20日、9月21日にロンドン、オックスフォード・ストリート100番にある、100CLUBで行われた、”100 Club Punk Special”に出演したバンドSex Pistols、The Damned、The Clash、Subway Sect、Siouxsie And The Banshees、Buzzcocks、The Vibrators。それに、London SS、Chelsea、Generation X、Adam And The Ants、The Jam、The Boysといったところ。
この時点でキャリアがあり、アティチュードが似ているThe Stranglers、Ultravox !やDoctors Of Madnessが入ることがあるけど、類似した例を挙げるときりがなくなるので、代表的なバンドで止めておきます。
因に、この時点で私は、ニューヨークのパンクを聴いていて、目指せRAMONESで、髪の毛は背中まで伸びていました。


パンク第一期(First Wave)

100CLUB PUNK SPECIAL POSTER

100CLUB PUNK SPECIAL
POSTER

100 CLUBの入り口でタムロするスージー達

100 CLUBの入り口でタムロするスージー達

ADAM AND THE ANTS

ADAM AND THE ANTS
(海賊ファッションになる前)

CHELSEA

CHELSEA
(Billy Idolが在籍していた初期の写真)


パンク第二期(Second Wave)は、1976年末までにスタートしたバンド。
1977年1月から100日間営業していた、”ROXY CLUB"に出演していたバンド達だ。
おおざっぱに言うと、1976年7月初旬、RAMONESのラウンドハウスのライブ(メインはFlamin' Groovies、サポートでThe Stranglersが出演)に集まっていたガキや、Sex Pistolsのライブに行った連中がスタートしたバンドと思えば良いと思う。
ロンドンからはEATER、The Adverts、X-Ray Spex、The Unwanted、999、Wireといったところ。マンチェスターからはSlaughter And The Dogs、ブリストルからはThe Cortinasといった具合で、パンクに触発され、同時多発したバンドになる。
この頃私は、大貫憲章さんがNHKラジオ第一、土曜の夜10時20分からやっていた”若いこだま”でSex Pistolsの「Anarchy In The UK」を聴いて驚き、テレビや本でJohnny Rottenが着ている、安全ピンと鎖だらけの服を見て、ビックリしていました。

パンク第二期(Second Wave)

ROUNDHOUSE 1976年7月4日のポスター

ROUNDHOUSE 1976年7月4日のポスター
(このライブを見た多くの人がパンクになった)

THE UNWANTED

THE UNWANTED
(ROXY CLUBの前で撮った写真、
サポートはTUBEWAY ARMY)

THE CORTINAS

THE CORTINAS
(ファーストシングルはパンクの名盤)


パンク第三紀(Third Wave)は、1977年春までに登場して来たバンド。パンクス対テッズ抗争に巻き込まれたバンド達といえば分かり易いかな。
イングランドからはPenetration、Tubeway Army、The Drones、Skrewdriver、スコットランドからはThe Rezillos、The Valves、Johnny And The Self Abusers、アイルランドからBoomtown Rats、Radiators From The Space等々。
イングランドだけでなく、イギリス国内中で雨後の竹の子の如くバンドが出現している。
私この時期、髪の毛は短髪にして、どうやったら”寝癖のような髪型”に出来るか真剣に悩んでいました。

パンク第三紀(Third Wave)

ROXY CLUBのチラシ(1977年3月)

ROXY CLUBのチラシ(1977年3月)

ROXY CLUBのチラシ(1977年4月)

ROXY CLUBのチラシ(1977年4月)

SKREWDRIVER

SKREWDRIVER
(どう見たって、パンクそのもの)

Boomtown Rats「Lookin' After No.1」

Boomtown Rats「Lookin' After No.1」
(彼等も、パンクバンドだったんです!)


Original Punkは言う迄もなく、マルコム・マクラーレンと周辺に居た人たちに因って、始まった感じがするけど、多角的に視ていくと、プレ・パンク期のパブロックで燻っていた火を、ひとつ若い世代がスパーク(爆発)させたものだと考えた方が、音楽的には繋がる。別の機会に、この当時のパンクについてもっと詳しく書いてみましょう。

マルコムとヴィヴィアン

マルコムとヴィヴィアン

(仕掛人ですね)

『SEX』記念撮影

『SEX』記念撮影

Sはクリッシー・ハインド
Eはヴィヴィアン・ウエストウッド
Xはジョーダン

セディショナリーズ外観

セディショナリーズ外観

(初めて行った時、気付かなかった)

セディショナリーズの店内

セディショナリーズの店内

(モデルは、Debbie)

1977年の夏、Lewishamの暴動時期に登場してくるのが、パンク第2世代(Second Generation Punk)という感じになる。
その辺りは、来月。

text by TAYLOW / the原爆オナニーズ