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SPEAK OFF THE CUFF !

コラム

続続・親愛なるジェネレーションに捧ぐ

続続・親愛なるジェネレーションに捧ぐ

EATにこの原稿書いてたのっていつの頃だったのだろうって、最近若干認知症気味に記憶がうっすらとぼやけている。なにせこの20年という時間の経過やその中であった出来事が多すぎて次から次へと頭の中からはじき出されてしまうのである。例えば一緒に仕事をしたであろう方から声を掛けられたり挨拶されてもその人が誰だったかを認識できないことも多い。実際、その昔ファックスで仕事をしていたことがメールになり、郵便で送っていた写真や音源は添付データで送れるようになって処理能力が早くなった分仕事の量が半端なく増えたことは事実だ。でもそれはたった20数年年前に手探りで始めたことなのだ。そんなことに今更ながら驚かされる。

Extreme The Dojoというイベントを始めた頃まだ珍しかった「へぇ!平成生まれなの?」って言われてた人達だってすでに20代後半を迎えてて、平成自体が再来年で終わる。1989年1月7日の早朝に昭和天皇が崩御され、寝ぼけた頭でテレビのニュースを見ていた。そしてその日の午後、当時の小渕恵三官房長官が新しい元号を「平成」と発表して以来一時代終わってしまうんだよね。

そんなことを思い出しながら僕は一体どんなジェネレーションに向けて何を発信していたのだろうかと、ふと立ち止まってしまう。
「親愛なるジェネレーションに捧ぐ」はどこを向いていたのかをまず最初に検証しなければならない。
週間モーニングに連載されていて途中で打ち切りになり問題作となった大和田秀樹氏による日本の現代史漫画「疾風の勇人(しっぷうのはやと)」の主人公、池田勇人が総理大臣として内閣を形成していた頃僕は所得倍増計画や高度経済成長下における「岩戸景気」から「オリンピック景気」で日本がお祭り騒ぎのなか小学生、その後の戦後最大と言われる「いざなぎ景気」のなか中学生として共働き家庭で育った。台所には電気炊飯器や電気ポット居間にはテレビ、マイカーこそなかったがバイクがある所謂文化生活というやつを送っていた。東京オリンピックがあり、ビートルズが来日して、まさにNHKの朝ドラ「ひよっこ」の時代をちょうど主人公谷田部みね子の弟、すすむくらいの年で通って来た。洋食屋「 すずふり亭」にも出てくるオムライスは母親に連れて行ってもらったデパートの食堂で食べた。僕にとってオムライスはカレーライス以外で初めての洋食だった。「ひよっこ」の中でも歌われた「いとしのマックス」(荒木一郎)は来日したメタルバンドと行くことになるカラオケでよく歌う「十八番」だ。いつも「ドゥドゥドゥドゥドゥッ/ドゥドゥドゥドゥドゥッ/ドゥドゥドゥドゥドゥドゥドゥドゥッ/ゴォー!」という行で失笑を誘う。何?「荒木一郎もそんな歌も知らねぇよ!」ってか。 そして1970年に大阪で開催された万国博覧会までを一気に駆け抜けた。
「親愛なるジェネレーションに捧ぐ」は、いざなぎ景気が終わり、大学生による反体制運動が激化して来た頃に台頭して来た日本のフォーク・ソング・シーンのレジェンド、岡林信康の「私たちの望むものは」の歌詞から始まる。

僕が中学生になった「1968年」が来年で50周年を迎えることもあり今改めて注目されている。先日、「10・8山崎博昭プロジェクト」の集会に参加してきた。1967年10月8日、当時の首相、佐藤栄作の南ベトナム公式訪問を阻止するために全共闘(全学共闘会議)の学生たちが起こした「第一次羽田闘争」において亡くなられた山崎博昭さんの50周忌追悼集会がある。来られていた方はほとんどが団塊の世代。その発起人である「僕って何」という小説で芥川賞を獲られた三田誠広氏の講演があり、同じく元東大全共闘議長の山本義隆氏も来られていた。この集会に対するコメントは差し控えるとして、三田氏がおっしゃってたように、ノスタルジーとしてのプロジェクトではなく「今の時代」だからこそ今や未来を語るものにしていくべきだという発言は印象に残った。

全共闘運動の終焉が見え隠れしてきた1971年春に赤ヘルを被った学友会の何人かが高校の入学式で校長の挨拶を遮ってアジ演説を始めたシーンを目撃したのが1968年を通ってるどころかテレビや新聞からの情報しか持っていない僕にとってのそんな時代の初実体験だったが、それ以降は何事もなく3年間を過ごした。学友会はいつの間にかなくなっていた。1年の浪人期間を経て大学に入学した後は学費値上げ反対ストライキのバリケードを横目で見ながらコーヒーを啜っていた。バリケードの中と一線を画していた僕は今回の「続々 親愛なるジェネレーションに捧ぐ」でまずは「1968」を勉強するところから始めようと思う。全共闘の闘争の意味、背景、なぜ終焉したのか。その後我々はふわふわと1970年代、80年代、バブル、失われた20年を過ごし、その間2001年の9.11があり、2011年の3.11を経験した。その後反原発や反秘密法案、反安保法制のデモや国会前での集会があった。僕の周りでも「そこ」に参加している人たちもいる。還暦を越した今、僕もここらでふわふわした人生をきっちりと整理しよう、現在起こっている「叛乱」を傍観していられないなって思ったんだ。
まずは前述の漫画「疾風の勇人」は現首相、安倍晋三が敬愛してやまない祖父、「昭和の妖怪」とも呼ばれた岸信介が登場した時点で連載が打ち切られた。その辺りから始めますか、、、。

text by 南部